CO2二次冷媒自然循環システムの最小機種とMr.エコヒート

 東洋製作所はFOOMAに(1)CO2二次冷媒自然循環システム「C−LTSシリーズ」の最小型機種(2)「Mrエコヒート」など最新機種を出品する。このほかフリーザーの「サーモウェーブ“ダッシュ”」をパネルで訴求する。
 「CO2二次冷媒自然循環システム(C−LTSシリーズ)」は冷凍機(一次側)の冷媒にアンモニア、フリーザーなど二次側の冷媒に二酸化炭素を使う2段圧縮機ユニット。コベルコが新圧縮ユニットを開発したことによりフリーザーなどに使う大型から冷蔵庫に使う小型までアンモニアとCO2のシステムで対応できるようになった。
 C−LTSシリーズは自然冷媒を使い環境に優しいだけでなく、自然循環方式で高効率なことも特徴。年間CO2排出量は従来のR22(フロンの一種)を使った直膨方式の40%減、アンモニアブラインチラーと比べれば50%もの削減になる。
 負荷側に無害の炭酸ガスを使用し、アンモニアは充填量を最小にして機械やユニット内に閉じ込めているため万が一の事故に際しても安全性が高い。熱伝導率はフロン系より10〜20%高く、自然循環方式なので二次側(炭酸ガス)に圧縮機が不要。
 このため二次側冷凍サイクルに油を必要とせず、油混入による冷却器の伝熱性低下を防ぐことも利点の一つ。
 Mr.エコヒートは30度Cほどの温水から熱を回収するヒートポンプシステム。70〜95℃の熱湯を作ることができる。昨年秋に発売開始した。
 既存のMr.エコスチームと同じシリーズだが、エコスチームが45℃以上の熱源を必要とするのに対して、これまで利用できなかった30℃台の熱源を活用できるようにしたのが大きなポイント。
 エコスチームは100℃以上の蒸気を発生させることができるので、使い分ければ工場全体の未利用排熱を有効に使える。
 同社は常時排出される温水だけでなく、稼働停止時のフライヤーの油熱から洗浄などに使う温水を作るなど、トータル的な提案で食品工場全体のエネルギーコスト削減とCO2排出削減を提案している。
 「サーモウェーブ“ダッシュ”」は既存の「サーモウェーブ」フリーザーのモデルチェンジ機。従来機と比べ凍結時間を30%短縮している。送風機を増設するのではなく、スリットの改良や構造の見直しで凍結時間の短縮を実現しているため、ランニングコストも低く抑えることができる。
 新型の「高効率上下スリット」は冷風をより高速化し、下面からもスリットで冷却することで凍結時間を短縮。スリットは定期洗浄のための取り外しが容易な構造にしている。
 さらに、クーラーは庫内スペースを有効に使えるように横置きにした。冷却気の前面にはダクトがなく、上下にスリットがあるにもかかわらずベルト下部には送風機を置かない構造。これにより洗浄性を高めている。こうした構造の採用で有効長を増やし、結果的にスペースの縮小も実現している。
 冷気漏れ対策やクーラーの霜付対策をほどこし、長時間運転にも威力を発揮する。
 インバーターコンデンシングユニットの採用で動力も削減した。
 使用する冷媒はCO2に対応している。

Mr.エコヒートの姉妹機Mr.エコスチーム