香川県の産学官の冷凍食品関係者が勉強会
冷食表示と品管につき冷食協の尾辻常務が指導
香川県内で冷凍食品の産学官関係者が組織した「かがわ冷凍食品研究フォーラム」は第３回シンポジウムを高松市内でこのほど開いた。
基調講演で日本冷凍食品協会の尾辻昭秀常務理事は「冷凍食品に関する食品表示と品質管理等」について説明した。
事例研究ではこれまで使われなかった地場産の水産原料を使って冷凍餃子を開発したメーカー社長と、レシピを開発した学識者が発表。冷食向け機能性フィルムについて資材メーカー担当が紹介した。
開会に当たり、同フォーラム会長を務める竹安宏匡・香川短大教授が挨拶した。閉会挨拶は副会長の名倉敬フジフーヅ社長が務めた。調理冷食メーカー、研究機関、支援機関などから55名が参加した。
基調講演で尾辻冷食協常務理事は食品表示法の施行に伴い、旧ＪＡＳ法等関連法からの変更点を説明。特に「製造所固有記号、アレルギー表示、栄養成分表示、添加物表示などに留意する」ことを強調した。フードディフェンスやＨＡＣＣＰ導入など品質管理の新たな課題、今後の工場管理の取り組みなどについても紹介した。
聴講者から製造所固有記号などについての質問があり、尾辻氏が答えた。
聴講者からは「時宜を得た講演、はっきり説明、解説していたのでわかりやすかった」、「食品表示だけでなく、フードディフェンス、ＨＡＣＣＰにも触れられ、わかりやすかった」、「工場記号の改変に興味があった」、「業界の今後の方向性についても参考になった」などの意見が寄せられた。
挨拶する竹安会長
いりこにならない「脂いわし」を冷凍餃子に活用
事例研究では、新商品『いわし餃子・いりこ入り餃子』を開発した地元冷食メーカー、共栄冷凍水産�蠅瞭Ｂ湿蕊彈卍垢�いりこに加工できない脂いわしの有効活用に取り組み、脂いわしを原料とする「いわし餃子」やオイルサーディンなどを開発した経過を発表した。
香川短大の松永美恵子准教授はこの「いわし餃子」の研究を受託し、開発したレシピ９種類を発表した。
未利用資源の脂いわしを冷凍食品に利用した事例に聴講者の関心が高く「取り組み姿勢が素晴らしい」、「未利用原料の活用と、生産者を応援する姿勢に共感できた」、「産学官プロジェクトで使っていなかった脂いわしを活かした商品を作った点が参考になった」などの意見が寄せられた。
「機能性フィルムの開発と食品包装への展開」については日生化学�蟯覯莖�発室の河野博氏が発表した。同社が開発した発泡フィルム、成分改質と表面改質を行ったフィルムなどの特性や採用事例などにつき紹介した。
聴講者は「事例説明がわかりやすい。使用を考えた商品もある」、「面白い新技術」、「新機能包材がコストダウンやクレーム防止になっている点がとても便利だと感じた」など前向きな意見が寄せられた。
終了後の聴講者アンケートで、今後のフォーラムの研究内容については、企業による開発事例の紹介、大学等の研究取り組みの紹介、冷凍食品製造設備・技術に対する要望が多かった。