伸長するパッケージサラダの基幹工場
サラダクラブ 五霞工場(上)

 パックしたカット野菜(パッケージサラダ)を購入する人が増えている。キユーピーグループのサラダクラブは、その生産量の国内最大シェアを占める。鮮度の高い野菜の調達と加工は創業時から続いているが、そのレベルをより高い水準まで引き上げている。五霞工場は同社最大の生産量を誇る。

五霞工場の外観

 茨城県猿島郡五霞町。キユーピー五霞工場の敷地内に工場がある。この敷地には、キユーピーグループの他の拠点も集結しており、旬彩デリ、ケイパック、物流を担うキユーソー流通システムなどの拠点もある。
 五霞工場の操業開始は、同社が設立して1年後の2000年。中河原工場(東京)に次いで2番目に立ち上がった。2009年まで旧工場が稼働、敷地内の別の場所に建設した新工場が同年3月から稼働し、現在に至っている。
 日産約10万5000パックは自社工場6拠点、協力工場11拠点の中でも最大規模。大消費地である首都圏に商品を供給する基幹工場として成長を続けてきた。
 協力工場は需要が増え続けているパッケージサラダを生産するうえで欠かせない。全国各地で協力工場は増えており、鮮度の良い野菜を調達。鮮度の良い状態のまま工場で加工し、消費者のもとに届けている。

 パッケージサラダは鮮度が命。その新鮮さを持続させるために同社は“コールドチェーン”に技術を集結させている。
 野菜は収穫後も呼吸している。例えばキャベツなら、収穫したまま段ボール箱などに入れて輸送すれば、箱の中の温度は上昇し、鮮度低下の原因となる。そこでキャベツなどの葉物野菜は収穫後、直ちに冷却し、休眠させ、呼吸を抑えて低温処理し(予冷)、採れたての鮮度と衛生状態を保持させる必要がある。協力工場含め、全17拠点では各産地から予冷された状態のキャベツが冷蔵トラックに積まれて運ばれる。

外葉など食用に適さない部分をトリミング、このあと水流洗浄へ

 国内に流通している野菜は100種類ほどだが、同社ではこれまで40種類以上の野菜を使って商品にしてきた。五霞工場で加工しているパッケージサラダは約40アイテム。現在25種類ほどの野菜を使用している。
 原料の受け入れ工程。日付が変わる頃から野菜の受け入れが始まる。日産約10万5000パックに対し、必要な原料は20〜25tにも達する。主力商品「千切りキャベツ」や「ミックスサラダ」に使うキャベツは昼夜絶えず受け入れが続くという。次いでレタスもかなりの量を処理している。
 産地から冷蔵車で運ばれた野菜は、入庫時に品位、温度を確認して受け入れる。現在使用している25種類すべての野菜は例外なくこの工程を辿る。受け入れ基準に満たない野菜はここで返品される。
 合格した野菜には入庫票を発行。入庫票には品名や産地、出荷団体、2次元バーコードを記載し、原料庫で保管する。
 この2次元コードには生産地のデータが記録されている。これが包装フィルムの産地データと連動しており、充てん工程の際に処理している野菜に間違いがないかを確認、間違いがあればエラーが発生して機械が停止する。(充てん工程時にも記載)
 (次号へ続く)

トリミング

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2016年1月6日号掲載