規格外のサツマイモをジェラートに、6次産業化を後押し

 業務用調理機器を輸入・製造販売するエフ・エム・アイ(東京都港区、浮穴浩司社長)は茨城県下妻市の農業活性化の取り組みに参加し、規格外の農産品などを使った商品開発を支援している。最新のフードマシンの活用とコーポレートシェフらによるサポートで高品質の地場商品を開発し、市のPRだけでなく、農家の収入増にも貢献している。

 複合宿泊施設「ビアスパークしもつま」内にある食品加工施設「工房We mam」がスチコンや自動撹拌(かくはん)ケトル、ブラストチラー&ショックフリーザーなどを導入した。工房は下妻市から運営を委託され、2022年7月から稼働している。

 製造室は惣菜、ジャム・タレ、ジェラート、菓子、食肉製品、水産製品の6室ある。名産の常陸牛、ローズポーク、キングポークなどを使ってローストビーフやハンバーグなどを製造しているほか、地元特産のサツマイモで形が不揃いな規格外品を焼き芋やジェラート、ジャムなどに加工して販売している。

 スチコンや自動撹拌ケトルはプログラム調理機能を搭載しており、誰が操作しても均一な仕上がりを実現する。ブラストチラー&ショックフリーザーは熱々の食材を急速冷却し、粗熱を素早くとる。作り立てのおいしさを保存できるだけでなく、調理時間も大幅に短縮する。

 人手不足の中で6次産業化を継続発展させるには、こうしたバッチ型でも最新機能を搭載したフードマシンが欠かせない。FMIは6次産業化の支援と併せて、連続式の大型機では掘り起こせない中小食品工場の自動化・省人化の潜在需要を掘り起こす。

     規格外のサツマイモから作った焼き芋を再加工したスイートポテト

       食品加工施設「工房We mam」内には製造室が6つある

 スチコンはイタリアのUNOX社製「シェフトップ」、プログラム調理機能を搭載している