脱骨ロボ8台導入、処理効率アップ
グリーンポートリー(2)

 グリーンポートリーは岡山県ブロイラーから引き継いだ施設内部を全面的に改修し、衛生度を高めた。最大2万2000羽まで処理できる設備と機器を新たに導入、加工設備も最新の機器を導入して生産能力を高めた。

「イールダス」を2台導入した

 同社の本格稼働は昨年9月。2011年11月に会社を設立し、施設を引き継いだのちは最新の加工場にするため着々と準備を進めてきた。
 改修前は工場内部への入り口が1つだけだったが、相互汚染を防止するため、「前処理・中抜きエリア」と「解体・包装・出荷エリア」にそれぞれ入り口を設けた。エアシャワーも最新のものを設置している。
 成鳥の前処理・中抜きの設備には、ストーク社(デンマーク)の機械を導入。現在は1万5000羽/日を処理しているが、2万2000羽まで処理できる余力を残している。

 羽根や皮を取り除いた鳥をハンドカッターで上半身と下半身に分離する。
 下半身はチキン骨付きもも肉全自動脱骨ロボット「トリダス」ラインへ。6台ある。自動筋入れ機能と最終分離機能を標準装備しており、骨付きのもも肉を機械にセットするだけで、骨と正肉に分離する。人手同等の歩留まりも可能となった。自動化することで、チキンもも肉の品質と歩留まりが安定し、人手に触れる回数を少なくすることで衛生面も向上している。
 上半身はチキン胸肉全自動脱骨ロボット「イールダス」ライン(2台)へ。筋入れからささみ取りまで全自動で胸肉を脱骨できる。チキンをセットするだけで、手羽付き胸肉、ささみ、胴ガラに分離。生産性が向上し、高い省人効果が得られただけでなく、人手による作業はチキンのセットだけだったのに対し、衛生的な処理も可能となった。

毎日丹念に機械を清掃
(写真は「トリダス」)

 食材に菌を付着させないのはもちろん、最先端の脱骨ロボットの能力を最大限に発揮させるためにも、清掃やメンテナンスに細心の注意を払っている。
 刃をはずし、高圧洗浄機を使って上部に付着している肉片から落としていく。その後発泡洗浄へ。10分間放置したのち、冷水で洗い流す。一通りの洗浄が終われば、菌を発生させないよう十分に水分を飛ばす。
 朝の立ち上げ時も同様。ロボットをアルコール殺菌し、約80℃の熱湯を噴射してから1日の生産活動が始まる。午前10時と午後3時の中休みや昼休憩時にも、ラインの責任者だけは残り、ロボットに付着した肉片を取り除くなどチェックに余念がない。