冷凍いちごの解凍ドリップ、発生の原因を解明

   解凍時にドリップが発生した様子

 アヲハタはいちご果実の凍結解凍時にドリップが発生し、果汁が流出して食感が失われるなど、品位が劇的に劣化する原因を探るため、日本大学生物資源科学部と2019年から共同研究を行ってきた。

 その結果、天然多糖類の「ペクチン」がドリップ流出に影響を与える可能性のあることがわかった。研究論文は学術雑誌に掲載された。

 試験はアヲハタの研究施設「アヲハタ果実研究所」で栽培している100種類以上の品種の中から熟度が同じ10品種を選定して行った。 

 試験からは、品種の違いによるドリップの差は、いちごの細胞壁に存在して、細胞をつなぎ合わせる働きをするペクチンの量や構造が保水力に影響したため、との可能性を導き出した。

 アヲハタはペクチンの研究を長年続けてきており、「アヲハタ55」シリーズのような低糖度ジャムを離水させることなく、ゲル化できるようになったのも研究の成果による。

 これまで培ってきたペクチンの応用技術と今回得られた新たな知見を活用して、凍結解凍しても新鮮でおいしい、いちご品種の開発をめざす。

アヲハタ果実研究所、100品種以上のいちごを
栽培している