生分解性ポリマーが欧州委のポジティブリストに採用

「生分解性ポリマーPHBH」を使った使用例
(同社ホームページから)

 カネカは植物油などのバイオマスを主原料とした「生分解性ポリマーPHBH」が欧州員会の「欧州食品接触材料及び製品に関する規則」のポジティブリストに掲載されたとこのほど発表した。
 今回はドライフード用途として掲載された。スーパーマーケットの乾燥果物や乾燥野菜、加工製品、シリアル、生パスタなどの包材として、欧州連合全域で8日から使用できる。
 カネカはドライフード以外の全食品でも認可プロセスを進めている。欧州の食品リスク評価を行う欧州食品安全機関の安全評価が1月25日完了した。欧州委員会の保健衛生・食品安全総局による審査、欧州議会と理事会の立法手続きを経て、今年秋には欧州全域で使用可能となる見通し。「ストローやコップ、ナイフ、フォークなどで用途拡大をめざす」(同社)としている。
 「生分解性ポリマーPHBH」は野菜袋や果物袋、コンポスト袋で採用が進み、欧州で需要が拡大している。そこで同社は約25億円を投じて高砂工業所(兵庫県高砂市)の製造設備を大型化し、年産5000tに生産能力を高める。稼働は来年12月を予定している。