じゃがいものむき皮を飼料に
畜産農家に供給開始、国内初の取組み
ケンコーマヨネーズは西日本工場（京都府舞鶴市）で発生するじゃがいものむき皮等のポテトピールを工場敷地内で液状飼料に加工し、畜産農家に供給する事業をこのほど始めた。国内初の取り組みという。
従来は産業廃棄物として堆肥等に利用していたポテトピールを有価飼料として再生できる先進的な食品リサイクルであり、国内初の取り組みである点などが評価され、農水省の「平成21年度食品循環資源品質維持体制整備事業」にも採択された。
西日本工場では国産じゃがいもを利用したポテトサラダ等の加工食品を製造しており、ポテトピールが副産物として大量に発生している。水分を多量に含み、腐敗が早いことから、飼料化するで乾燥させることが前提条件とされてきた。しかし、乾燥の過程が膨大な熱エネルギーを消費し、二酸化炭素の排出とコストアップにつながることにより、従来は堆肥等として再生利用を行なってきた。
一方、ポテトピールは繊維質のほか、良質なでん粉質を多量に含むことから、デンマーク、ドイツ、オランダ等では古くから液状飼料の原料として広く流通している。液状飼料は従来の乾燥飼料に比較して消化吸収率が良く、粉塵等による呼吸器疾病が抑えられることから日本国内でも採用する畜産農家が増えている。
同社は２年前からポテトピールの液状飼料を�螢�ルタナフィード（北海道千歳市）と協同で開発してきた。ミニプラントを作り、飼料原料としての安全性や保存性、家畜に対するし好性についての試験を重ねてきた。
その結果、飼料利用が困難であった水分含量の高いポテトピールを発生直後に一次加工することで保存性の高い液状飼料の製造が可能であることが分かった。必要以上に熱エネルギーを使わない手法により、二酸化炭素の発生を抑制することで環境にも配慮した取り組みとなる。
このほど、畜産農家への流通の目処が立ったことから、西日本工場の敷地内にポテトピール液状飼料化プラントを設置し、事業を開始することにした。完成した液状飼料は湯浅商事�蝓憤γ慮�名古屋市）を通じて販売する。
ポテトピール液状飼料化プラント