日本とニュージーランドでの通年栽培のイメージ、日本
式のぶどう棚で露地栽培を行う
三井不動産は社内ベンチャー「GREENCOLLAR(グリーンカラー)」を設立し、日本とニュージーランドで日本品種の生食用ぶどうの生産販売を始めるとこのほど発表した。
北半球と南半球で季節が反対になることを活かして通年栽培し、「旬のぶどう」を世界に向けて販売する。巨峰やピオーネ、シャインマスカットなど高品質な日本ブランドの価値を高める。
ぶどうは4〜9月に山梨県、10〜3月はニュージーランド北島のホークスベイ地方で生産する。同地方は日照時間が山梨より長く、昼と夜の寒暖の差が大きいなどぶどうの生産に必要な条件を満たしており、ワイナリーも数多い。生産方法は日本と同様、棚式による露地栽培を行う。当初は日本で5ha、ニュージーランドは10haで事業を開始し、順次拡大する。
今回の新規事業で大きなポイントといえるのが、生産指導責任者を招いたこと。山梨県とホークスベイですでに日本品種の生食用ぶどうを生産している「葡萄専心(ぶどうせんしん)株式会社」の樋口哲也社長を起用し、技術面で全面協力を仰ぐ。
「GREENCOLLAR」の従業員が山梨とホークスベイで年2回、高いレベルの技術指導を受け、高度な生産技術を早期に身に付ける。さらにICT技術を活用して、暗黙知化していた生産技術を可視化するほか、気象データやぶどうの育成データを組み合わせるなどして品質の安定化、生産の効率化をめざす。