「三密」回避、宅配ロボの社会実装を急ぐ

無人宅配ロボの活用イメージ、宅配ロボが到着
したらQRコードをかざしてロッカーを開ける

 物流支援ロボットや無人フォークリフトなど自動運転モビリティの開発を手がけるZMP(東京都文京区)は無人宅配ロボットの実用化に向けて、「公道」を含めた配達の実証実験を東京都心部で進める。実証実験の提案内容を8日発表した。
 無人宅配ロボは「三密」を回避する方法として効果的であり、アフターコロナを見据えて社会実装化を本格化したい考え。

 計画では都内の高層マンション群エリアをモデル地区として、宅配事業者やスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどの協力を得ながらサービス検証を今後行うとしている。

 同社によれば、英国ロンドン郊外のミルトン・キーンズ地区では、歩行者専用の私有地でつながったエリアをモデル地区とした事例があるという。

 今回の実証計画では高層マンション群という人口の高集積エリアで行うことや、私道だけでなく公道も加えるなど、英国のビジネスモデルよりも一歩踏み込んだ。

 日本国内では歩道を走れる車両は電動車いすとシニアカーに限られるなど、ロボットが公道や歩道を走るには法規制の緩和と整備が必要になる。この点に関して同社は政府や自治体と規制緩和の調整を慎重、迅速に進めるとしている。

 実証実験に使用する無人宅配ロボ「デリロ」はカメラ6台のほか2次元・3次元レーザーを搭載しており、歩行者や障害物などを検知することができる。さらに24時間遠隔監視、遠隔操作システムで安全安心を担保している。これまでも宅配寿司「銀のさら」や森ビル、ローソンなどと実証実験に取り組み、成果を上げている。

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