励起蛍光方式の可視化装置

 寺岡精工は励起蛍光方式を使い荏原実業が世界で初めて開発した装置、コンタミグラフィー(R)「一般生菌数可視化装置」と「食品残渣可視化装置」を10月中旬から販売開始する。

      一般生菌数可視化装置

 「一般生菌数可視化装置」はこれまでの培養法による検査では48時間以上かかっていた食肉などの一般生菌の測定を、試薬を使わずに5分以内で実施できる装置。検査したい試料(生肉の一部など)を装置にセットすると、励起蛍光方式を活かした照射技術により、食肉を破壊することなく、食品の衛生管理指標である一般生菌数を迅速に測定し、食肉の表面に存在する生菌の分布や多少をモニター画面にカラーマップで表示する。モニター画面の表示を押すだけで簡単に操作できるタッチパネルを採用。ゴム手袋を付けたままでも操作できる。培養法は専門スキルが必要だが、この装置は誰でも簡単に検査ができる。測定したデータは保存・記録できる。
 事前に検査対象となる食肉の一部などを提出し、同製品の測定と培養法の測定を比較して検量線を作成すれば、導入先ごとにカスタマイズされた高精度の測定ができる。
 原材料の受け入れ検査や原材料の加工プロセスでの検査、原材料の未加熱・加熱製品への振り分けなどの作業を迅速化。原材料や製品検査段階での品質スクリーニングの省力化・効率化、ストックヤードコストの大幅削減が図れる。
 長さ300mm×幅412mm×高さ512mm、重さ約15kg。モニター画面は15インチ。税別500万円。

      食品残渣可視化装置

 「食品残渣可視化装置」はリアルタイムに食品残渣を可視化できる検査装置。従来のATPふき取り検査よりも広範囲を検査でき、培養検査よりも迅速に無試薬で検査できる。「検出モード」にして検査したい所に装置をセットすると、食品残渣をモニター画面上に疑似カラーで表示し、一定のレベルを超えた食品残渣を検出した場合は、警告音を発する。また、「撮影モード」にして食品残渣の分布状況を撮った画像を保存できるので、二次汚染による事故の未然防止に役立つ。本体はコンパクトで軽量、バッテリーで動くので持ち運びに便利。いつでもどこでも手軽に検査できる。
 生産設備表面上の目視困難な洗浄不良カ所を可視化し、洗浄効率を向上させることで、二次汚染の防止や洗浄剤消費量の最適化が図れる。また、作業者がすぐに洗浄効果を確認できるので、衛生管理教育に役立つ。
 長さ193mm×幅214mm×高さ273mm、重さ約2.3kg。モニター画面は6.5インチ。検査範囲は検出モードが幅76mm×高さ63mm、撮影モードは幅102mm×高さ84mm。税別300万円。