クレオ、オリコンの自動洗浄脱水ラインを構築

　食品工場の容器洗浄機でシェアトップのクレオ（東京都中央区、荒井誠一社長）は「オープナー・クローザー付きオリコン洗浄脱水装置」を初出品する。洗浄脱水機の前後にオリコン（折り畳みコンテナ）の組み立てと、折り畳みを行う装置を取り付けて洗浄の自動化を実現した画期的なシステム。
　オリコンは物流現場で使われることが多く、昨年の国際総合物流展では手ごたえをつかんだが、「食品業界の反応も見てみたい」として出品を決めた。
　配送センターなどに帰ってきたオリコンはふつう畳んだ状態で積み上がっている。これを投入するだけで①段バラシ、②オープナー（組み立て）、③洗浄、④クローザー（折り畳み）、⑤段積み、⑥脱水の６つの工程を自動で行う。１時間あたり1000枚の処理能力があり、大幅な省人化を実現する。

　洗浄は低圧多水量方式を採用し、オリコンの全箇所に水を当てて汚れを一気に洗い流す。脱水は遠心脱水方式。所定の段数に積み上げたオリコンを高速で回転させ、内外面の水滴を吹き飛ばす。
　クローザー装置は従来から活用していたが、オープナーを新たに搭載したことで、これまで人手に頼っていた作業を削減し、最低限の工数で洗浄することが可能になった。

　洗浄前にオリコンを組み立てるオープナー

　洗浄後にオリコンを折り畳むクローザー

野菜洗浄に効果、炭酸次亜水を安定供給

炭酸次亜水生成システム。写真は炭酸水生成装置（左）と
２濃度対応次亜塩素酸Na注入装置

　「炭酸次亜水生成システム」は食品添加物として使用が認められている次亜塩素酸ナトリウムを同じ食品添加物の炭酸水で希釈する殺菌水生成装置。野菜の洗浄殺菌に効果を発揮する。健康ブームを背景にサラダの購入金額は堅調に推移しており、同システムの導入実績もコンビニベンダーやカット野菜工場などに広がっている。電解タイプと違う希釈・混合タイプのため、①低濃度、短時間で殺菌力を発揮、②濃度、pHの調整幅が広い、③電極などの交換部品が発生しない――などのメリットが期待できる。
　殺菌水の使用は安全性がカギになるが、炭酸次亜水生成システムは「緩衝作用」と呼ばれる炭酸ガスの化学作用でpHが5.0以下にならないため有毒な塩素ガスは発生しない。従来の次亜塩素酸を塩酸で希釈するタイプに比べ、安全安心で使いやすい。
　炭酸水の生成では炭酸ガスと水を効率よく混合（撹拌）する方式を採用しており、ガス溶解率を安定させることでpHも安定するほか、無駄なガス消費量を抑えてランニングコストを低減する。
　さらに、「他社は次亜塩素酸ナトリウムに炭酸水を注入して炭酸次亜水を作るが、当社は炭酸水を生成した後に次亜塩素酸ナトリウムを注入するため、洗浄殺菌の目的に合わせて複数の塩素濃度を1つのユニットで同時に供給することができる」という。
　炭酸次亜水生成システムは炭酸水の生成装置と、次亜塩素酸ナトリウム注入装置のユニットで構成されるが、これまでは複数の塩素濃度を同時に供給する場合、次亜塩素酸ナトリウム注入装置を複数台接続する必要があった。
　そこで１台で２つのpHと塩素濃度の炭酸次亜水を同時に生成できる次亜注入装置も昨年開発。展示ブースでは炭酸水生成装置と、２濃度対応次亜塩素酸Na注入装置のユニットで展示する。
　また、炭酸次亜水の送水量やｐＨ、塩素濃度（ppm）、水温を常時測定するモニタリングシステムを出品し、洗浄現場で最も求められる「安定供給」の確認ができることをＰＲする。

人手不足対応をテーマにセミナー講演

　クレオの強みは食品工場の洗浄をシステムと捉え、「洗浄機器・洗浄剤などのハード」、「洗浄を極めるサニテーション技術を提案するソフト」、「全国に広がるネットワークを持ったメンテナンス」をまとめて提供できることにある。洗浄業界ではクレオだけが持つオンリーワンサービス。「安全安心な製品の提供を通して衛生環境づくりや作業の効率化、省人化をお手伝いしたい」と語っている。
　今回は出展社プレゼンテーションセミナーで「人手不足に対応するための洗浄殺菌システム」と題して講演する。７月10日15:20～16:05、東京ビッグサイト会議棟６階608会議室。事前登録が必要。申込みは下記URLから。
https://www.foomajapan.jp/seminar/exhibitor_presen.php#712_b%3Cbr%3E
　ブース番号は西１Ｇ-11（西展示棟）。