欧州の食品事情を紹介
ジョンビーン・テクノロジー（旧エフエムシー・テクノロジー、平林綱広社長）は食品メーカーの生産関係者を対象にしたセミナーを10日、東京で開催した。来日したJBTフードテックAB社（ヘルシンボルグ）のギャート・ニールソン上級副社長は欧米における食品のトレンドや同社の最新機器・技術を紹介した。
＜ニールソン上級副社長の話＞
トレンドは健康志向、肉はチキンが人気
「世界の冷食生産量は年間4000万ｔ。欧州はエスニック、スパイシーな味付け、オーガニック、自然食品などが成長している分野。全体的に健康志向が強まっている。また、ピザなどのベーカリー分野やポテト加工品も伸びており、肉で言えば赤身より家禽類（チキンなど）の加工食品が増えている」。
タイ、中国、東欧からの輸入が増える、コスト対応は「大量生産型」
「乳製品の生産も増えているが、乳製品は価格が生産に見合うのでEU域内で生産するケースが多い。しかし、家禽類食品は輸入に頼っているのが現状。ブラジル、タイ、アメリカ、中国から。今年は中国だけで9工場が輸出の認可を取得した」。
「食肉関係は東欧からの輸入が増えている。東に行くほどレイバーコストが安いので、加工食品の輸入も増えている。ただし東欧は設備が古い工場が多いので、衛生・品質管理の専門家を常駐させるようにしている」。
「原料食材の世界的な高騰で欧州もローコスト化を強く目指すようになった。生産の規模を大きくしてコストを下げる傾向にある」。
流行る大型パックとデリスタイル
「販売形式としてはファミリーパック（日本でいう業務用商品の小売のような形態）やデリスタイル（冷食の裸バラ売りを客が選んで詰め合わせする形式）のトレンドが広がっている」。