【年頭所感】
厨房支える主要事業を推進
日本厨房工業会 谷口一郎会長

    谷口会長

 日本経済は堅調な輸出、底堅い消費、訪日外国人数の増加によるインバウンド需要などに支えられているが、一方では米中貿易摩擦などの不確実性の高まりへの懸念が景気に影を落としている。
 このような中で、第18回厨房設備機器展の「人手不足解消」をメインテーマに掲げた各セミナーは参加者が1100名を超え前年比3割以上の増加となり、一部では会場に入り切らない状況だった。また、NPO法人日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)によるキッチンマネジメントセミナーで最新の調理機器を用いた実演や講演が高い評価を得たことは、人手不足、海外進出や訪日客対応といった喫緊の課題に対する当工業会への大きな期待の表れと思っている。第19回厨房設備機器展では「厨房からイノベーション」をテーマに掲げたセミナーを予定しており、より一層の省力化、生産性の向上に寄与できればと考えている。
 厨房は、建物の中で、人・モノ・エネルギーの流れがすべて集中する重要な場所であり、食文化の発展を担う発信の拠点でもある。厨房を作り上げるテクノロジーが従来にも増してクローズアップされてきていると感じている。
 当工業会はこの重要な役割を果たす厨房を支えている業界の発展に寄与するため、厨房設備士の資格認定制度、JFEA業務用厨房設備機器基準登録制度の普及、厨房設備機器展の開催、月刊厨房誌の刊行という主要事業を柱として、引き続き活動に取り組んでいく。
 とりわけ食の安心・安全に対しては当工業会の最重要課題であり、HACCPへの対応をはじめとして、引き続き情報発信を行う。
 また、業界内で働く女性のネットワークの形成や、人手不足解消の一助となるべく業界の認知度の向上にも努める。