現場感覚ピカイチ、ハムソーで巻き返す
日本水産 福岡支社長 岩田 祐二氏

 日水に入社し32年。ほぼ営業一筋に生きてきた。しかも舞台が支社の最前線だけに現場感覚の鋭さは日水でもピカイチ。支社では冷食を主体とした業務用食品と、冷食、ねり製品、ハムソーなどの家庭用食品などを扱う。今期はハムソーが苦戦しているが、家庭用冷食、ねり製品、業務用食品が売上げを伸ばしている。ハムソーも「下期に予定しているテレビCM投下により巻き返しを図る」と期待する。

    岩田福岡支社長

 ――ほとんどの支社を回った。
 岩田 あと名古屋と仙台に行けば全国制覇です(笑)。どこでも基本は同じですが、地域の特性や事情によって戦略は変えていかなければなりません。福岡は特にディスカウントストア、ドラッグストアの構成比が高いところです。

 ――中途半端では駄目。腹を決めた対応が必要になる。
 岩田 利益が多少薄くても積極的に販売するか、あるいは価格を重視して売上げが落ちるのを覚悟で利益確保を優先するか、販売方針はマーケットの状態や商品、さらにタイミングによって異なります。その舵取りが永遠の課題でもあります。

 ――福岡支社の業績は?
 岩田 全国的な傾向と変わらないと思いますが、7月までは家庭用冷食、農産品は前年を上回って推移しています。ねり製品も順調です。一方、ハムソーは94%にとどまっています。ねり製品は太物ちくわやカニカマが好調。業務用食品は102%。支社としては今期、売上高で前年比108%、利益は前年実績の確保を目標にしています。

 ――ハムソー以外は好調だ。
 岩田 家庭用冷食は低価格路線の中で拡大策を鮮明にしています。利幅は薄いが、今はこれで行くしかないと判断しました。逆にハムソーは他社の安売り攻勢にさらされる中で、適正価格での販売を重視しているので、数量が伸び悩んでいます。ただ、下期にテレビCMの投下を予定しており、福岡、熊本は重点地区として放映回数が多くなっています。ハムソーはこれから、秋から巻き返します。

(いわた・ゆうじ)1978年(昭和53年)日本水産入社。経理部で3年、その後は東京支店(5年)、大阪支店(6年)、広島支店(3年)を回り、本社商品部に4年。再び支社生活となり、四国(4年)、札幌(2年半)、2回目の大阪(3年半)、現在の福岡支社は2年目。1955年(昭和30年)4月生まれの55歳。長崎県出身。香川大学経済学部卒。