大和製罐は産業技術総合研究所(産総研)と共同で、高い酸素ガスバリア性を持つ透明フィルムを開発した。産総研は以前から粘土を主成分とする膜材料「クレースト」を研究開発し、実用化に取り組んできた。
親水性の粘土と水溶性のプラスチックの混合ペーストをPETフィルムに薄く塗布することで、高い酸素ガスバリア性を持つ透明フィルムを作製。このフィルムはガスバリア層が柔軟であることに加え、変形などによって生じたガスバリア層のピンホールも、大気中の水蒸気を吸収して膨潤することで自己修復するため、くしゃくしゃにしても酸素ガスバリア性が従来品よりも簡単に劣化しないのが特長。
袋状に加工したり、表面に文字も印刷でき、食品包装用フィルムなどの利用が期待される。印刷技術を用いてペーストをフィルム上に高速で塗布する技術を確立し、幅50cmのロール品生産の製造にも成功している。開発したフィルム上にさらにPP層を形成することで袋状に加工したり、表面に文字を印刷したりすることが容易となる。