インドネシアの風味調味料生産能力を約30%増強

 味の素の連結子会社であるインドネシア味の素社(ジャカルタ、倉島薫社長)は、インドネシア・ジャワ島西部にあるカラワン工場の風味調味料「Masako(R)」(「マサコ」)の生産能力を約3600億インドネシアルピア(約32億円)投資して増強する。インドネシアにおける風味調味料の需要増に対応し、インドネシア全土へ供給体制を強化するのがねらい。今年4月に着工し、2017年7月の稼働をめざす。
 「Masako(R)」はジャワ島東部のモジョケルト工場と、2012年12月に稼働したジャワ島西部のカラワン工場の2拠点で生産している。今回、カラワン工場の建屋を拡張して生産能力を増強し、モジョケルト工場でのみ生産していたビーフ風味をカラワン工場でも生産する。これにより生産能力が2工場合わせて約30%増強され、インドネシアの人口の約8割(約2億人)を抱えるジャワ島以西へ安定的・効率的な供給が可能になるという。
 「Masako(R)」は日本の「ほんだし(R)」に相当する風味調味料。1989年の発売以来、鶏肉や牛肉の風味を料理に付与する汎用調味料としてスープや炒め物などに家庭で幅広く使用されている。販売量は2011年度以降、年率約12%で継続的に増加。60%強のトップシェアを誇る。新規ユーザー拡大と既存ユーザーの使用量増による販売量の拡大が見込まれる。

 インドネシアの人口は世界第4位の約2億5000万人(2014年)、2020年には約2億7000万人に達すると推定されている。同国の1人当たりのGDPは3500米ドルを超え、今後も年率5〜6%の経済成長が見込まれている。    
 味の素グループは、2014−2016中期経営計画で、インドネシアを重要な成長ドライバーとして位置づけており、コンシューマーフーズ事業では、2020年度に2012年度比で3倍の売上げと、飛躍的な成長をめざしている。 
 同グループでは「今後も、よりおいしく、高品質な製品の提供を通じて、現地の豊かな食生活に貢献したい」としている。