トレハロースに脂肪細胞肥大抑制効果
「ゼロオフ」と異なる商品開発も

 林原生物化学研究所はトレハロースが脂肪細胞の肥大化を抑制する効果を確認、その発表会を東京の帝国ホテルで29日開催した。カロリーゼロなどのいわゆる「ゼロオフ」商品とは異なる新たな市場を創る可能性がある、と同社では期待している。

トレハロースの研究成果を発表する林原の研究者ら
福田常務(中央)

 今回の研究はトレハロースがメタボ予防に与える効果を明らかにするために実施した。メタボの発症は、内臓の脂肪細胞が肥大化してインスリン抵抗性を誘発することに起因しているが、実験では高脂肪食負荷マウスを用い、他の糖質と比較試験の形式で行なった。
 その結果、トレハロースが高脂肪食による脂肪細胞の肥大化を抑制し、さらに高脂肪食が引き起こすインスリン抵抗性の進行を抑制することも確認できたという。
 同研究所の福田恵温常務(研究担当)は「この成果から、必要な糖を取りながらもメタボを予防するという“新たなメタボ対策”の可能性を見出せる。カロリーゼロなどのいわゆる『ゼロオフ』商品とは異なる選択肢として新たな市場を創る可能性がある」と説明した。
 トレハロースは自然に存在する糖類の一種。これまでにも鮮度維持やでん粉の老化抑制に効果があることから、冷凍食品や飲料、菓子など7000社、2万点の商品に使われている。