福井県と農業研究に関する連携協定を締結

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは福井県と低コストで収益性の高い農業経営の実現と、環境にやさしい農業の推進を目的とした農業研究に関する連携協定を締結した。

       圃場に設置した「水まわりくん」

 実証する試験は2件。高度水利用型水田農業実証試験では同社のICTを活用した多機能型自動給水機「水まわりくん」を水田に設置して、水田水管理の自動化や遠隔操作化などによる省力化効果、米の品質向上などへの効果を検証する。これらは大区画化圃場の農業経営を容易にし、生産コスト削減や収量拡大につながる。
 事業主体は北陸農政局九頭竜川下流農業水利事務所。事業期間は2015年4月〜2018年3月まで。イーノなかのはま100(福井県あわら市中浜14−11)に水まわりくんを51カ所設置して事業を開始している。

    ハウスに埋設した「エスロヒート地中熱」

 地中熱活用暖房システムによる園芸作物の周年栽培技術実証試験では同社の未利用エネルギー活用システム「エスロヒート地中熱(水平型)」を園芸ハウスに導入する。暖房システムの省エネ効果、二酸化炭素削減効果を検証し、寒冷地域での園芸作物の効率的な周年栽培技術の確立をめざす。
 事業主体は福井県スマート園芸省エネ技術実証協議会。福井県農業試験場は栽培技術、福井県農林水産部生産振興課は栽培技術普及推進、カネコ種苗は栽培プラント、同社は地中熱利用システムをそれぞれ担当する。事業期間は今年4月〜2019年3月まで。福井県三方郡美浜町の同県農業試験場内園芸ハウスで開始している。