【年頭所感】
これからの社会に対応する新しい包装の開発を目指して
日本包装技術協会 藤重貞慶会長  

      藤重会長

 少子高齢化の進行や健康志向の増大、さらに循環型社会の構築に向けてのライフスタイルの変化など、生活を取り巻く環境の大きな変化に伴い、包装は一層の高度化、多様化そしてグローバル化が求められている。特に、現在、包装分野においてはフードロスの削減や高齢化への対応そして地球環境保全といった課題に対して、品質保持期間や賞味期限の延長、利便性の向上、そして環境に配慮した素材の使用など、解決に向けて様々な取り組みが行われている。
 他方、包装と密接に関連しているロジスティクス分野においても、ネット販売の急激な拡大や買い物弱者と言われる人々の増加などを要因として、労働力不足が急速に社会問題化している。この問題への対策の一つとして、ロボットや人工知能(AI)などの技術を駆使したスマートロジスティクスの実用化が進んでおり、こうした高度システムに対して包装がどのように対応していくのかは今後の大きな課題となっている。
 このように、現在、包装分野においても数多くの課題が台頭している。これら課題への取り組みは次世代に向けた大きな挑戦であり、今後の包装産業の発展と豊かな社会形成への大きな貢献に繋がるものと信じている。
 当協会は、こうした状況に鑑み、公益社団法人としての責任と自覚をもって、基本事業である包装適正化の推進や、次代を担う包装人材の育成などの事業をさらに充実させると共に、公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注し、豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指していく。特に今年は10月に、包装産業界の最大のイベントである東京パック2018(東京国際包装展)を日本の包装産業の総力を結集して開催する。世界を代表する国際包装展にふさわしい内容と運営を図り、本展が包装産業の活力ある発展と社会生活の向上、さらに国際相互の理解を促進する機会となることを願う。