不凍たん白質、冷食市場に本格化

 フードフェスタでは、カネカが今年春市場投入を本格化させた不凍たん白質も紹介した。氷結晶の成長や氷の再結晶化を抑制できるたん白質で、大手製麺メーカーが冷凍麺の新商品に採用したのを皮切りに、卵加工品や米飯、水産練り製品メーカーにも引き合いがあるという。

冷凍米飯では、冷凍焼け(白ロウ化)を防止する

 同社は2008年10月に不凍たん白質研究の第一人者である関西大学の河原秀久准教授と共同研究契約を締結し、研究開発を進めてきた。不凍たん白質は水が凍ってしまう氷点下の温度域で氷結晶に結合し、その成長を妨げる能力を持つ。
 開発に成功したたん白質「クリスタキープS−1」は、氷結晶の成長や氷の再結晶化を抑制する働きがある。加工食品などに添加して冷凍保存すると、おいしさや食感の低下を引き起こす冷凍障害を抑制し、冷凍食品の品質をより長く維持できる。
 また、今まで冷凍保存が困難だった食品の冷凍保存も可能となり、その結果、賞味期間の延長や食品の廃棄量低減に繋がる可能性も期待できる。