ケイズ ベルテックはコンベアベルトや搬送システムのメーカーとしてオートメーションライン構築に長年携わってきた。FOOMAではワイヤーベルトからロボット、生産ラインのIOT化のためのソフトなど多彩な出展を行う。
ロボットメーカーの多くは他業種から参入しており、ロボットに対しては優れた開発力を持つが、食品製造ラインに対しては未知の部分が多いため、ロボットだけを販売し、周辺機器と制御系はシステムインテグレーターにゆだねている。
ロボットアーム部分
一般的にシステムインテグレーターはロボットを選定し、ロボットがハンドリングできる条件に周辺機器を設定し、稼働するように制御を組み込む。
不具合が起こった場合、ロボット以外の電気制御、周辺機器調整に関してはシステムインテグレーターで対応できるが、ロボット本体の構造については対応できず、ロボットメーカーに連絡しているのが現状。ロボットメーカー、システムインテグレーター、ユーザーという縦並び状態のため、不具合解消に時間がかかることがあるという。
同社ではオートメーションラインの構築をやっている限り、システムインテグレーターとしての役割を担っていくことは避けられないと判断。これまで食品製造ラインを構築してきたノウハウを生かし、ユーザーの不具合を解消するにはロボットの構造を理解することが重要であるとし、パラレルリンクロボットの開発に踏み切った。
同社では「ロボットを自社開発し、ユーザーに自社のロボットを導入してもらえれば、ライン、ロボット共に全て一緒に管理できる。ロボットメーカーの協力を得て、システムインテグレーターとしてユーザーに提案する場合でも、ロボットの構造を理解していればロボットメーカーを呼ばないで済むので、他のシステムインテグレーターと差別化できる」としている。
会場ではパラレルリンクロボットをバーチャル的なコンベアに設置してデモを行う。
同社は自社で機械や電気制御、ITを融合させたIOT(Internet of Things=モノのインターネット)を構築し、食品工場向けに提案するため、IT会社を今年1月グループ化。制御ITシステム事業部を設置した。
それぞれ単独で動いていた製造ラインの各機器を、IOTインターネットで結ぶことで、顧客が集中管理でき、ライン上で起こることを見える化するソフトを開発している。
稼働時間、電気の消費量、通常と違う電流値になった場合などのデータを蓄積して、色々な機器部品の交換目安などを把握し、未然にトラブルを回避するソフトをめざしている。
同社では「IT会社目線で行う製造ラインのIOT化の提案と、これまでオートメーションラインの構築を行ってきたわが社が開発するのとでは目線が違ってくる。より現場の問題に即したソフトを開発したい」と意気込みをみせる。
会場ではラインを構成している機械がそれぞれどんな電流値で動き、どのように安定して動いているのかを計測し、合わせて稼働時間等を3GモジュールでPCに送り、記録蓄積するというデモを行う。
コンベアベルトには、ワイヤー、ウレタンプラスチックモジュールなど色々な種類がある。製造ラインには必ずカーブがあり、ワイヤーとウレタンは90℃、45℃と顧客の要望に合わせることができる。
ゼロ直線カーブ
これまでプラスチックモジュールベルトはカーブ専用ベルトがなかったため、カーブの前後には必ず直線が必要であり、L字にしかラインが組めず、スペースが必要だった。
今回、イントラロックが開発したプラスチックモジュールのゼロ直線カーブベルトとのコラボレーションが実現。このベルトを使用したベルトコンベアを出品する。
その他にも耐久性を考慮し、万が一、外周エッジが折損した場合でも従来品のように落下することがないKエッジワイヤーベルト、ベルトのエッジ部分でケガをする、ゴム手袋を切って異物混入原因となる、といった不具合を軽減するカールエッジワイヤーベルト、ベルト着脱式サニタリーコンベアのベルトッチャ、スピンノズル方式で水に濡れた商品に微振動を与えながら除水するコンベア除水機、など他にはない同社オリジナル開発の主力製品を昨年に引き続き出展する。
同社では「使用する現場の意見と、自分たちの開発力、技術力で少しでもいい製品を次世代に残すという思想で製品開発している。
オートメーションラインのワイヤーベルトから搬送機、ロボットによる生産ラインの全自動化、IOTによる生産ラインの見える化など、ケイズ ベルテックの次世代への挑戦を会場で体感してほしい」としている。