世界初、減算式はかりを活用したセルフ量り売り

 寺岡精工(東京都大田区、山本宏輔社長)は世界初の減算式はかりを使用したバルク販売システム「GramX」をこのほど開催された「スーパーマーケット・トレードショー」で初公開した。これまで煩雑だった、セルフ量り売りによる多品種の買い回りが簡単になり、食べ切れる分だけ購入したいというエコ生活のニーズを満たす。

 減算式とは、商用はかりの計量部に載せた惣菜などの総重量を管理し、買い物客が取り出して減った分の重量と金額を逆引きで算出する方法。寺岡精工は減算式の商用はかりとして、昨年3月に世界で初めて計量法に基づく型式承認を取得した。

 今回初披露したバルク販売システムは、この減算式はかりにNFC技術を搭載した「SBS-1000NFC」と、精算用のラベルを発行するプリンターコンソールを活用する。NFCは電子マネー決済や交通系ICカードなどに使われている近距離無線通信規格で、搭載する機器同士を近づけるだけで通信できる。これによって単価の違う多品種のセルフ量り売りでの買い回りを可能にした。

減算式はかりにNFC技術を搭載した「SBS-1000NFC」。客は容器から惣菜を取り出
してNFCカードをかざせば、その分だけ重量と金額を算出し、購買情報を蓄積する

 これまでは商品を計量するたびに精算バーコードラベルを発行する必要があったが、商品の購入情報をNFCカードのIDに紐づけることでプリンターに蓄積することが可能になり、買い物終了後に購入情報をまとめて呼び出せるようになった。

 客は商品を取り出すごとにNFCカードをはかりにかざし、最後にプリンターの画面にタッチするだけ。精算用のラベルの出力は1回で済む簡単操作を実現した。

 今回のバルク販売システムは惣菜だけでなく、ベーカリーやペットフードなどの量り売りにも活用できる。寺岡精工によれば、欧米ではガーデニング用の園芸土・肥料のセルフ量り売りに使われているケースもあるという。エコショッピングを実現する「GramX」は様々な業種に広がる可能性を秘めている

     買い物の最後にプリンター画面にタッチすると精算ラベルが発行される