国内最大の包装展「東京パック」来週開催、400社が出展

 包装資材や容器、関連機械・システムなどを展示する国内最大の総合包装展「TOKYO PACK2022−2022東京国際包装展−」が東京ビッグサイトで12〜14日の3日間開催される。隔年開催で29回目。今回は「新時代パッケージ ここに集う!−未来のために機能進化と使命−」をテーマに約400社・団体(約1600小間)が出展する。
 SDGsやカーボンニュートラルの達成に向けて包装が果たす役割はサプライチェーン全体で増しており、今回も充実した展示内容が期待できる。

凸版はレトルト対応のモノマテリアル素材

 凸版印刷は透明バリアフィルムを軸とした総合バリア製品ブランド「GL BARRIER」シリーズの新製品「ALL PP」を披露する。

 レトルト殺菌に対応したPP(ポリプロピレン)モノマテリアル(単一素材)のバリアパッケージで、従来のPPフィルムでは難しかったレトルト殺菌処理に要求される耐熱・耐水性を獲得した。これによって、リサイクルに適したモノマテリアル構成のパッケージがレトルト食品にも使えるようになった。金属を使っていないため、電子レンジ調理が可能。金属探知機による異物検査も行える。

 2023年春から全世界でサンプル出荷を開始し、本格的な販売をめざす。

       「ALL PP」モノマテリアルパッケージ製品のイメージ

DNPは紙製単一で高バリア性を実現

 大日本印刷は紙製のハイバリアモノマテリアルシートを出品する。酸素や水蒸気に対する高いバリア性を持つ環境配慮型のパッケージ用シートとして開発した。素材には特殊紙を使用せず、一般的なクラフト紙を使用している。

 ふつう紙にバリア性を持たせる場合はPE(ポリエチレン)などのフィルムをラミネート処理するが、今回の紙製シートはモノマテリアル(単一素材)で構成していることが特徴。DNP独自のコンバーティング技術で、従来は困難だった紙にバリア性を与えることに成功した。

 バリア性のポイントとなるコート膜(ハイバリア膜)にはアルミニウムなどの金属材料やバリア性の高いPVDC(ポリ塩化ビニリデン)は使っていない。製品全体に対する紙の重量比は80以上という。

 コート膜は透明材料の薄膜層で構成している。薄くて導電性がなく、電波の透過にまったく影響を与えないため、RFID(電子タグ)の利用もできる。

 DNPは食品や化粧品、医薬品分野での製品化に向けて今後検証を始めるという。

        紙製ハイバリアモノマテリアルシートを使ったパッケージ