創業100年の信頼性をアピール

 アーシェルジャパンは米国アーシェル社の設立100周年を機に、長年にわたる実績を背景にした機器の信頼性をFOOMAでアピールする。
 アーシェル社は1910年にカッティング装置のパイオニアとして産声をあげた。当初はベリー系果物の花柄(かへい)をカットする措置でスタートし、「コミトロール」や「ディバーサカット」など独自のアイデアを盛り込んだカッティング装置を開発してきた。
 既に世界中に3万台を出荷している実績と、部品の一点一点を含む加工精度の高さ、常にカッティングマシン業界をリードしてきた技術開発力をあらためてアピールする。

100周年を強調したブースデザイン

 出品するのはダイサー2機種、コミトロール1機種、Nグラニュレーター1機種。
 「DC2110ダイサー」は別名ディバーサカットと呼ぶマルチダイサー。1台でスライス、ストリップカット、ダイスカットの3通りのカットに対応し、ダイスカットするサイズも3.2mmから25.4mmまでと幅広く調節できる。
 カットする原木は最大25.4cmまで投入できる。
 特徴は汎用性の高さだけではない。
 従来とは異なる押し付けるようなメカニズムでカットするため、柔らかい食品のカットにも強い。玉ねぎのカットの場合、表面の薄皮もきれいに細かく切れる。このため、導入したユーザーでは薄皮をビニールと間違えるクレームがゼロになったほど。
 飲料やヨーグルトの粒々感を出すアロエやナタデココもきれいに切れる。従来は機械で切ると斜めにズレるなどきれいに切れなかったため、人件費の安い海外で生産するなどの方法で対処していた。
 DCスプリントは「モデルDC2110」をより小型化し廉価にしたタイプ。カットする原木が最大17cmまでだが、食材のカッティングサイズは同じ。
 サニタリー性の高さもDC2110の優位性を継承している。ギアなどのオイルが必要な機械部はカット部分と完全に隔離され、グリス混入の心配がない。部品点数が少なく、消耗部品が少ないためランニングコストの軽減も期待できる。既存のRAダイサーに比べDCスプリントは用途が幅広いだけでなく、時間あたり処理能力やカットサイズの精度も高いが、価格はRAダイサーに近く、結果的にコスト削減に寄与する。
 「コミトロール」は食材を微細に加工する装置。食材をペースト状やフレーク状にする。すりつぶすのではなく、非常に微細にカットするため、摩擦による温度上昇が少なく、食品の品質を劣化させない。スープやジュース等に利用しているところも少なくない。
 発売以来長い間利用され続け、近年は類似品まで現れるようになった。
 最近は医療食の分野で食材をペースト状にするケースも増えており、熱で風味を壊すことのないコミトロールが再び注目されている。
 「Nグラニュレーター」はアーモンド、クルミ、ピーナッツ等のナッツ類を細かくする装置。従来のナッツカット装置の構造は、ローラーで細かく砕くミルに近く、粉になってしまう部分が多かった。Nグラニュレーターは砕くのではなく、カットして細かくするので歩留まりがいい。ミルのように熱を発生することも少なく、ローラーのすき間など掃除しにくい構造もないので丸洗いできることも、ユーザーにとってはうれしいポイントだろう。