阿部万寿雄の「食の安全」と「ものつくり」 −17−
食品工場の運営ノウハウ(3)勝ち組企業の特徴

 日本経済新聞に勝ち組企業の共通パターンが製造・技術・販売面から報道されていた。最近お会いした元気印の食品会社のトップから全く同様な返事をいただき、納得がいった。

【製造・技術】
(1)こだわりのある独自性の技術ノウハウを発揮している
 <事例>蓄積された調理技術と加熱殺菌技術の組み合わせによる商品開発をしている。

(2)トップ独自の経験と発想による徹底したコストダウンを実践している
 <事例>畜産加工会社の社長は原料歩留まりこだわる。高周波による急速解凍、原料は一切床に落とさない教育訓練と施設の改善により、床に原料の肉片は全く散乱してない。加工場の床は乾燥しており、従業員全員が短靴を使用。

(3)研究開発・商品開発の面ででネットワーク、公的支援、異業種、地域大学と交流し、活用している。
 <事例>各県産業技術センターや産業振興センターの食品専門部署と交流、あるいはそれを通じた新技術の応用・活用も有効である。筆者自身も県産業振興財団の依頼で中小企業の新技術(佃煮・惣菜製造に水分活性)の導入や未利用原料の活用による新製品の開発を指導した。