深層水活用のサツキマスを販売
春から秋は生鮮で出荷、冷凍品は通販で
海洋深層水で養殖したサツキマス
赤穂化成（兵庫県赤穂市、池上良成社長）は高知県海洋深層水研究所、高知県室戸漁業指導所と共同研究を行い、海洋深層水を利用したサツキマスの養殖にこのほど成功した。「プラチナサツキマス」というブランド名で、高知県内のホテルや飲食店などに向けて９月から出荷を開始する。
天然サツキマスは近年、河川環境の変化などにより個体数が減少しており、「幻の魚」と呼ばれている。様々な分野で海洋深層水の有効利用をめざしている同社は、年間を通じてサツキマスが安定供給できるように海洋深層水を活用した養殖事業を開始。高知県の旧栽培漁業センター室戸支所にある水槽で養殖を行っている。
海洋深層水は水温が低温で安定しており、サツキマスの養殖に適している。水槽に引き込む海洋深層水の温度は10〜11℃。海洋深層水は清浄性が高く、魚の病気を起こす細菌やウイルスなどの病原体がほとんどいないため、投薬の必要がなく、安心安全な環境で養殖ができる。また、配合飼料だけを与えるため、アニサキスの心配もなく、生のまま刺身として食べることができる。
今年出荷するのは２年魚、約500尾。春から秋はラウンド（生鮮、約１�圈砲埜�内のホテルや飲食店などに出荷し、それ以降は冷凍フィレ（半身約320ｇ）などを通信販売やふるさと納税などを通じて販売する計画。
同社は2014年から海洋深層水を活用した生食可能なカキの畜養研究を開始し、本社のある兵庫県赤穂産のカキを室戸沖の海洋深層水で48時間浄化した生食用カキを「プレミアムオイスター」として17年12月から販売している。