欲しい業務アプリケーションを自社で作れる

 ダイキンは製造業の開発予算管理、部品構成管理、顧客管理など、業務用のアプリケーションを企業が自社で容易に開発するためのシステム「Smart Innovator(スマートイノベーター)」を4月1日発売する。
 アプリケーションのデザイン画面は直感的に操作でき、設定項目に入力すれば専用スキルがなくても高い操作性と表現力のあるアプリケーションを開発できる。
 プログラム設計、コーディング、テスト期間の工数が大幅に減るので、自社で一から開発した場合に比べ、開発期間を約1/4に短縮でき、導入コストも大幅に抑制する。
 業務アプリケーションの運用中も、業務の変更やユーザーニーズの変化に迅速に対応するための機能改善、用途拡張ができる。
 様々な情報が格納されている膨大なテーブルや集計結果を高速に一覧表示する「データグリッド」、設計部品表を構築するための「ツリーグリッド」など、製造業の企業ごとに独自性のある業務に対応できるアプリケーション構成要素を装備した。
 「AI(人工知能)機能」の搭載により、収集したデータを分析して故障予測や修理に必要な部品を判断したり、営業にまつわる様々な情報から売上げ予測をしたりするなど、業務の効率化に寄与する。
 このシステムで開発した様々な業務アプリケーションを同一プラットフォーム上で構築することで、アプリケーション間のデータ共有ができる。
 膨大な企業内の情報を集約し、製品開発現場から経営層に至るまで、最新の情報を活用しながら 業務を進められる。
定価は25ライセンスからで300万円。

製造業ならではの視点でシステム開発

 グローバル化や消費者ニーズの多様化による急速な市場変化に合わせて、より柔軟で迅速に業務アプリケーションを開発・運用したいというニーズが高まっている。
 勤務管理や経費処理などの一般事務では、パッケージ化した業務アプリケーションを運用するケースが多い。しかし、製造業の製品開発や営業などは、企業ごとに手法の違いが大きく、多くの企業が自社に適した業務アプリケーションを一から開発するため、開発にかかる時間とコストが課題となっていた。
 同社は空調メーカーならではのノウハウを活用し、製造業向けに IT ソリューションの提供に取り組んでいる。
 製造業向けの IT システムとして、研究開発の進捗と成果物を管理するシステム「SpaceFinder(スペースファインダー)」を 1999年から販売している。
 様々な製造業の現場に関わる中で、研究開発の進捗や成果物の管理は「SpaceFinder」で部門横断的、体系的に業務を進められるが、予算や部品表の作成など、情報の集計や継続的な更新を伴う業務は、時間と費用をかけて自社でアプリケーションを構築するケースが多いことが分かった。
 同社では、製造業特有の多様な情報を集計、更新する業務のためのアプリケーションを短期間、低コストで開発することへのニーズの高さに着目し、このシステムを開発した。