舌でつぶせる「やわらか肉」など、介護食拡充

 和光堂はレトルトタイプの介護食ブランド「食事は楽し」のラインアップを拡充する。この中で「やわらかお肉料理」シリーズはベビーフードの開発で培った技術を活かし、高齢者の食事にあまり使われなくなる肉を大きめにカットし、柔らかく調理して提供する。

食材をすり潰さず、大きめな具材で“見た目”
のおいしさにも配慮

 歯ぐきや舌でつぶせる商品などの品ぞろえを充実させ、通常、介護食品ではミンチ状に細かくする肉を逆に大きくし、“見た目”のおいしさにも配慮した。同社が得意とするベビーフードの開発で培った技術“やわらか製法”を活かし、特殊な調味液を肉に浸透させてやわらかくした。今回導入した調味液の開発に1年半をかけたという。「肉じゃが」や「牛肉の赤ワイン煮」、「和風あんかけハンバーグ」など7品目をそろえる。
 ほかに、「京風お料理」シリーズ2品、「ふっくら雑炊」1品を発売し、アイテムをこれまでの10品から17品に発売する。
 「食事は楽し」ブランドの売上げはは2010年が前年比118%増、11年も56%増と伸張している。「介護食品市場は11年に1000億円を突破し、21年には1500億円以上の市場規模になる見込み。今回は特に高齢者の生活習慣病より、低栄養素のリスクに着目した」(林清一マーケティング部次長)と開発のねらいを示している。