クレオは新型器具洗浄機やミートワゴン洗浄機、ジャンボックス洗浄機などを出展する。異物混入防止や省エネ、省人化・効率化などをテーマに掲げ、主力の“洗浄”を通して食品工場が抱える課題解決に取り組む。
新型器具洗浄機「かがやき」
洗浄から殺菌までを可能にした新型器具洗浄機「かがやき」を出展する。複雑な形状が多いおにぎり成型機の部品洗浄を目的に開発。殺菌水生成装置との接続が可能になり、さびにくい材質にすることで、洗浄やすすぎを終えた器具に殺菌水を噴霧でき、従来機と比べて洗浄力が大幅にアップした。
機内を清掃しやすいよう、水が溜まりにくい構造。機内配管は取り外し可能なサニタリー配管を採用するなど、洗浄機内の衛生度を保つための工夫を随所に施している。
おにぎりなど米飯商品をコンビニエンスストアに提供するベンダー工場が、同機を試作機の段階から試用している。洗浄能力だけでなく、水の使用量削減やスタッフの作業負担軽減に結果を出している。
手洗いの場合、部品を洗浄液や殺菌水につけ込む必要があったが、その工程が省けるため作業時間は約4割短縮できる。水の使用量も約6割減らせるという。
おにぎり成型機の型(円盤状)は重さもかなりあり、女性の手で取り外し、シンク台に運び、それを抱えて洗浄するのに苦労することが多かった。その点を解消できること自体、働きやすい環境づくりに貢献している。
専用のカートで円形のラックをそのまま洗浄機に横付し、スライドさせて投入・取り出しできる。これにより部品を移し替える手間や工程を改善している。
作業の効率化を図るための台車、ラックなどのオプションも豊富。洗浄機、洗浄剤などのハードと、洗浄方法やノウハウのソフトを両方備えた同社だから実現できる、新しい器具洗浄殺菌機をアピールする。
ミートワゴン洗浄機
また、ミートワゴン洗浄機をFOOMA会場で提案する。「映像などでは紹介してきましたが、実機を出展するのは初めて。ミートワゴン洗浄機に対する引き合いが年々高まっており、専用のスタッフを配置し、改めて提案する必要性があると判断しました」(同社)。開発当初のものから改良を加えた最新バージョンを出展する。
きっかけとなったのは3年ほど前に或るハム・ソー工場での導入実績。この工場では肉の脂がこびりついたミートワゴンの洗浄に大変苦労していた。3名のスタッフを洗浄選任者として配置していたが、ワゴン洗浄機の導入したところ、自動化が実現。選任者を配置せず、誰でも機械を操作することができ、高い洗浄成果を挙げることができた。省人化だけでなく、誰が操作してもムラのない洗浄。しかも使用水量を削減するなど省エネにつなげている。
以来、同社でも洗浄機の効果を具体的な数値を明確化して提案。他の食肉工場でも導入が続いているという。「まだまだ食肉工場で苦労されているところは多いはず。FOOMAでぜひ実機をご覧いただければ」と語る。
このほか、新製品であるジャンボックス洗浄機を映像で紹介。開発して間もないが水産加工会社が導入し、早々に成果を挙げている。この工場でもジャンボックスの洗浄に苦労していたが、省人化、効率化につなげた。
新型器具洗浄機(おにぎり成形機用)、ミートワゴン洗浄機、ジャンボックス洗浄機――。そのどれもに共通するのが省人化と効率化。食品工場では人材が集まりにくいのが現状、どの工場も募集に大変な労力を割いている。また、重量のある洗浄物、冬場の冷たい水など、設備を洗浄する作業はスタッフの負担にもなっている。それが原因で工場を離れるというケースもある。
この工程を自動化できれば、貴重な人材資源を他の工程に配置換えできる。FOOMAで同社は主力の“洗浄”を通し、食品工場が抱える課題解決に取り組む。