ベトナム市場の開拓を本格化、森永乳業ブランドの新商品を投入

     エロヴィ社の千早社長

 森永乳業はベトナム市場での事業拡大をめざし、森永乳業ブランド商品の現地製造と販売を開始する。第1弾として栄養補助飲料「Morinaga Climeal(クリミール)」とヨーグルト「Morinaga Zero-fat Yogurt」を11月6日から販売する。製造販売は2021年に子会社化した飲料・ヨーグルトメーカーのElovi Vietnam Joint Stock Company(エロヴィ社、タイグエン省)。森永乳業の独自素材「シールド乳酸菌」などを武器に競合他社と差別化を図り、24年までに約20億円を売り上げる。

 エロヴィ社の千早隆司社長は1日の会見で「当社は主に子供向けのフルーツ飲料を製造しているが、近年は海外企業のOEM製造も手がけている。こうした生産能力や製造設備を活用し、森永乳業が持つ技術やノウハウ、素材を加えることで付加価値の高い商品を開発することができた」と語り、商品力に自信をみせた。

 栄養補助飲料の「Morinaga Climeal」は40代以上がターゲット。「シールド乳酸菌」を100億個配合しているのが特長。定番のバニラのほかに、ベトナムでは珍しいバナナ、コーンスープの3種類のフレーバーをラインナップした。

           栄養補助飲料「Morinaga Climeal」

 「Morinaga Zero-fat Yogurt」は20代以上がターゲット。ベトナムでも日本同様、低糖低脂肪への関心が高まっており、砂糖控えめで脂肪ゼロタイプのまろやかな味わいに仕上げた。レスシュガーのほか、現地で人気が高いアロエ入りのレスシュガーアロエを揃えた。こちらも「シールド乳酸菌」を100億個配合している。

 ベトナムは経済成長率が23年以降も6%台後半で推移するとみられており、それに伴って健康意識が高まっている。みずほ銀行の調べによると、栄養補助飲料市場は年平均成長率がプラス14%に上り、ヨーグルト市場はプラス8%で伸びている。今後も成長が見込まれており、森永乳業は商品ラインアップを順次拡充していく。28年度までにベトナム地域での売上高100億円をめざす。

           ヨーグルト「Morinaga Zero-fat Yogurt」