サニタリー性重視、異物混入軽減

 ワイヤーコンベアベルトの専門メーカー、ケイズベルテックはサニタリー性を重視したベルト各種を出展する。「ベルトそのものが持つ機能的、合理的、衛生的側面をユーザーにつかんでもらいたい」と里薗勝成社長は意気込む。

 「KP加工」という特殊処理を施したワイヤーネットベルトは金属摩耗粉の発生を大幅に減少させる。特に食品工場のラインではベルトと受レールから発生する黒い粉や油などとの混在からくる黒い汁状の物質が懸念となっていた。非処理のベルトと比較して、表面硬度が高く耐摩耗性に優れているため、変形や破錠の防止となる。表面コーティングと異なり処理皮膜がはがれることがないので、食品搬送に安心して使用できる。
 「ケイズプラフレックスベルト」は一般のプラスチックモジュールベルトと異なり、ロッドのみで構成しているベルト。隠れた部分がないため、洗浄が安易で雑菌などの繁殖箇所が少なく、食品の直載せ搬送が最適だという。水切れや開口性が優れており、金属製のベルトと違って包材などのピンホールの不安を解消する。このため、包装品の除水や乾燥用途に実績が数多いベルトとなっている。

ゼロテンション溶接のベルト、日本に本格上陸

Omni−Pro

 スパイラルフリーザーに張られるワイヤーベルトのヘッダーにゼロテンション溶接を施した「Omni−Pro」を日本のユーザーに呼びかけている。これによりリンクの破損が大幅に軽減、異物混入に繋がるスパイラルシステムのドラムスラッドの損傷を解消、これは米国では主流になっている。
 従来型のワイヤーベルトはヘッダーをベルトの進行方向からのみしか溶接していないため、逆側から働くベルト自身の張力と相反し、ひびが生じる原因となっていた。リンクの損傷は避けられないものと業界では長く認識していた。
 また、不均一に溶接されるため、スパイラルローテーションシステムの内周側にある樹脂性ドラムスラッドに接触。ドラムスラッドを傷つけたまま稼働するため、削れた樹脂が粉となり食品に腐蝕する異物となる懸念があった。
 従来の問題点を解決する「Omni−Pro」はリンクにレッグ(脚)を施すことで、滑らかな部分がドラムに接触するようにした。そのため、樹脂を削ることなく稼働、異物混入の原因を根絶した。ゼロテンション溶接(360度のラウンド溶接)のため、テンションが均一になり、ベルト自身に余分な負担を与えない。また、ヘッダーは隙間がないため、食品のかすが入り込むことで発生するバクテリアの心配を解消、ベルトの洗浄を容易にできるようになった。従来品との交換互換性がある。