過冷却空気で室内空調をコントロール
入荷の統一で保管スペース半分、自動ラック倉庫で65％削減
キユーピータマゴ�蝓／兄伊Ч�場（埼玉県入間郡三芳町） ＜下＞
キユーピータマゴの新三芳工場では次の様な取り組みも行なうことで「世界レベル」の工場をめざしている。
液卵自動積み付け
＜品質へのこだわり＞
�．肇譟璽汽咼螢謄�の進化＝前号で紹介した「新貯卵システム」や「製品管理システム」によるトレーサビリティ構築、貯卵庫のトレーと原料卵情報を紐付けすることで実現した。
�⊃轡汽縫織ぅ叉蚕僉瓧達稗仞�浄によりサニタイズの確実性を構築した。ＣＩＰは「クリーニング・イン・プレース」、配管等の洗浄カ所をその場でクリーニングする手法。洗浄温度、水量、洗浄液の濃度などを記録し、実施することで確実な洗浄をクリアした。
サニタイズ面では生産前に蒸気殺菌をしないで品質保証できるラインの構築をめざしている。
鶏卵自動搬送システム
�６�調換気技術（維持管理しやすさの追及）＝工場内の除湿をコントロールし、陽圧化を実施。以前の工場では室内を陽圧化するため、フィルターをかけていたが、新工場では空調を維持管理しやすくするため、過冷却で湿度60％、温度23〜24℃の空気をコントロールして流している。
�だ渋す�程の短縮化＝工程のストックからフロー方式の構築。割卵した液卵はタンクにストックせず、配管で直接つぎの工程に移送する。これにより無駄な配管が不要になる。
�ゥ奸璽疋妊�フェンス＝工場出入り口は静脈認証、電気錠で管理。加工場の出入り口、屋外入出荷口には監視カメラ15台を設置した。
自動ラックシステム（製品冷蔵庫）
＜合理化と省スペース追求＞
�〆邏伐�善技術＝新貯卵システムと製品システムの構築により生産を合理化した。
�▲好據璽抗萢儺蚕僉畍粁鼠颪瞭�荷をラック台車に統一し、使ったラック台車はストックせず搬入先の業者に返却することで、工場内の保管スペースを約50％削減した。貯卵庫には自動ラックを導入したことで、保管スペースはさらに65％の削減となった。
�Ｉ蘆敢邏鳩攜叉蚕僉畧�卵、積みつけ作業の自動化により、従業員の負担作業を軽減した。
新ラックアウトシステム
＜環境へのやさしさ＞
�。達錬穏鏝叉蚕僉疆按譴靴臣杷�、熱ロスをなくす、無駄のない配管、省エネ型卵殻処理設備――の実施により、新三好工場と同規模工場と比較し、ＣＯ２排出量は８月18日の実績で約28％削減できた、という。
断熱効果を徹底するため、床にも断熱材を入れた。これにより冷房効率も改善された。
タマゴの殺菌用の熱源は室外に出し、熱源を集めることで温度コントロールをしやすくした。配管で熱くなるカ所は「エコジャケット」で覆い、高温の発生を抑制した。保温シート状でパイプを包み込んだ形だが「これだけで、体感上の温度が10℃は違う」（逸見良則社長）という。
割卵後の卵殻はこれまで重油のバーナーで熱処理して乾燥させて脱臭も行なっていたが、脱臭炉から排出される熱を循環利用することで「臭いがゼロとなり、白煙の発生もゼロ、消費エネルギーは35％ダウンとなった」（逸見社長）。
「強さと優しさを兼ね備えた未来型工場」のために
生産工程
新三好工場では、以上見てきたように、「徹底した合理化」を「品質的強さ」と「環境への優しさ｣につなげる一方、「環境への優しさ」を「従業員への優しさ」につなげることで「品質的強さ」を導き出し、「お役様へ安全安心な商品をお届けする」ことを実現している。
今後の課題として逸見社長は「さらなる自動化、省力化に向けた技術構築」を挙げ、具体的には「自動充てん機の実現、卵出しの自動化」を図りたいとしている。
こうした取り組みを通じ「世界に通用するタマゴメーカーをめざす」考え。