AI需要予測システムをリンガーハットと共同開発

パロアルトインサイトはリンガーハットと共同で新たな
需要予測システムの店舗実装を進める

 米国シリコンバレー(カリフォルニア州)に本社を置くAI開発のスタートアップ企業、パロアルトインサイト(石角友愛CEO)はリンガーハットと緊急事態に対応する需要予測システムの共同開発を開始したと発表した。

 まずは予測モデルの運用を12月から始める。さらに、店舗シフト管理アプリのテストバージョンを2022年3月までに開発し、実店舗で運用した後、秋をめどに「リンガーハット」と「とんかつ濱かつ」の全国約700店舗に導入する。

 リンンガーハットはAIによる自動発注と店舗シフト管理のアプリを使って消費者需要の予測に加え、人手不足の解消、食品ロス削減につなげる。

 これまでの一般的な需要予測システムは販売実績や気象情報、地域イベント情報などに基づいて需要を予測し、適正な発注数の算出や在庫管理、出荷量予測を行ってサプライチェーン上のムダを減らす。

 今回の需要予測システムは従来のシステムに加え、地震や台風などの自然災害、感染症によるパンデミックといった緊急事態下で急激に変化する需要を予測できることがポイント。通常のシナリオで需要予測を行いながら緊急時はシナリオを一瞬で切り替え、現場対応のオペレーションを遅滞なく円滑に進められるようにする。

 パロアルトインサイトによれば、コロナの感染拡大で消費者の行動様式が変わり、従来の需要予測モデルが通用しなくなっているという。「あらゆる環境下で柔軟に対応できる強靭な需要予測モデルが不可欠」(同社)として今回の開発に至った。