アジア最大級の物流展9月13日から

 「国際総合物流展2016」が東京ビッグサイトで9月13日〜16日に開催される。アジア最大級の物流・ロジスティクスに関する総合展示会。最新の物流システム機器や情報システム、サービス等のハードとソフトが集結する。
 主催する日本ロジスティクスシステム協会の寺田大泉事務局長に意気込みなどを語ってもらった。

2年前は震災対応が課題

 「国際物流総合展は2年に一度の展示会。前回は2014年9月に、東京ビッグサイトの4ホールを使って開催された。

         前回の会場の様子

 2年前といえば、震災後の超円高が是正され、輸出環境の改善、デフレ脱却へ向けた政策や企業努力が奏功し、設備投資への動きや生産活動が回復しつつある状況だったと思う。
 ロジスティクス・物流分野では、震災対応等で顕在化した労働力不足への対応や、顧客ニーズが多様化するなか、電子商取引の拡大に伴う流通形態の変化への対応などが迫られ、業務の効率化が重要な課題となっていた。これらを背景に、2年前の展示会では、たとえば携帯電話・スマートフォンなどのモバイル端末を活用したシステム、ICTを活用した効率化、省力化、省人化を実現する新しい製品・サービスが多く出展された。また、物流活動においても、環境負荷低減が求められる中、燃料電池式のフォークリフトが初めて出展されたことも印象に残る」。

会場を1ホール増やし出展規模拡大

 「前回は418社/1701小間の規模で開催された。しかし、会場の制約上、多くの会社の出展を断らざるを得なかった。
 今回は会場を1ホール増やし、460社/2078小間の規模で開催する。会場を増やしたにもかかわらず、今回も、一部出展をお断りせざるを得なかったほどの活況を呈している。産業界で、これまで以上にロジスティクスの果たす役割が注目され、重要な経営課題であると認識されるようになったからではないだろうか」。

自動化、省力化、省人化の実現のため

 「直面する課題解決のためのサービス・製品・ソリューションを求める来場者と、それを提供する出展者の双方にとって、この物流展は、課題解決の出会いの場として、非常に有効であると考えている。

     寺田事務局長

 今回も、物流を取り巻く環境の大きな変化に対応するためにますます関心が高まっている『自動化』、『省力化』、『省人化』を実現する、物流マテハン機器、サービス、アウトソーシングなどへの新たな提案がされることになるであろう。
 参加者も、『自社が抱える問題を解決したい』という高い問題意識のもと、実務に直結した課題解決の方策を求めており、これまで以上に熱気のある展示会になることを期待している」。

出展各社の提案件数増えた

 「小間数が増えている理由のひとつは、各出展者の出展規模が拡大したため。物流現場でも労働力不足は深刻な問題になっており、各出展者にとっては問題を解決するための製品やソリューションをより多くの来場者にアピールするチャンスなので、出展内容を充実させているのだと思う。来場者からすると、従前に比べて、より多くの提案、優れた提案にめぐり合う機会が増え、満足度はさらに高まるのではないか」。

ハード、ソフトとマネジメント提示

 「今回の展示会では、昨今のトレンドでもあるIoT、AI、ビッグデータといった新たなテクノロジーを活用した効率化、省力化、省人化を実現する製品・サービスが数多く出展される。
 ロジスティクスは、原材料の調達から製造、流通段階を経て、最終製品の配送までの長いサイクルを同期化させて、物資供給の高度化を図る活動である。このロジスティクスに関連するプレイヤーは多岐にわたっており、課題解決のためには、多くの技術、サービス、などを組み合わせ、それらを統合して、最適な方策を検討しなければならない。
 今回の展示会では、ハードウエア、ソフトウエアとそのマネジメントを組み合わせて、来場者の課題に対してどのような解決策が図れるか、といったソリューション提案が増えていると感じる」。

IoT、AI、ビッグデータなどの活用も

 「IoT、AI、ビッグデータなどの活用によるロジスティクスのあり方の変化、消費者のライフスタイルの変化などに対応するため、従来は想像もできなかったような様々なサービスやソリューションが、今後も次々と生まれてくるであろう。
来場者に、『物流展に行くと、必ず、最新の情報を知ることができる』と感じてもらえるよう、展示会を運営していきたいと思っている」。

アドバイザリー会議で課題検討

 「この展示会では、ユーザー層のニーズや意見をきめ細かく反映させることを目的に、『アドバイザリー会議』を設置して企画・運営を進めている。アドバイザリー会議では、来場者の満足を高めるような企画のあり方、出展促進につながるような方策など、来場者視点の議論がなされ、来場者、出展者、双方にメリットのある展示会になるよう検討を重ねた。展示会のメインテーマである『物流展で見つけよう〜課題解決のネクストステップ〜』も、この会議から提案された。さらに、特にニーズの高い包装分野、物流施設・企業誘致分野について、『環境にやさしい包装システム』、『拠点進出ソリューション』として、集中的に展示する」。

拠点進出ソリューションも

 「『環境にやさしい包装システム』では、企業の社会的責任が求められるなか、環境にやさしい社会の実現に向け、省エネ・省資源・再利用・再資源といったキーワードのもと、合理化に取り組む各企業に対し、『エコロジー』『包装適正化』、『コスト削減』を促進する包装資材や包装機械等を提案する。
 『拠点進出ソリューション』は、立地環境から物流サービスまで、企業が物流拠点を展開するときに必要なインフラやシステムの提案をするコーナー。企業活動を継続するうえで、生産・物流拠点の配置計画は重要なテーマであり、物流不動産ディベロッパー、地方自治体、港湾関係者など、多彩な顔ぶれの出展となる」。

スマホでマッチングサービス

 「展示会は、課題解決の方策を見つけたい来場者と優れた製品、サービスを提供したい出展者の出会いの場であることから、2010年からマッチングサービスを始めた。
 当初は、来場者と出展者双方が、インターネットの掲示板で書き込みを行い、閲覧ができる簡単なシステムからスタートした。その後、利用者からの要望に基づき、検索性の向上、メッセージのやり取りの簡易化などアップデートを繰り返してきた。今回は、このサービスを、スマートフォンで利用できるようにした。
 展示会会期終了まで稼動しているこのサービスで、すでに多くの来場者と出展者が情報交流を進めており、会期何日目の何時にブースを訪問する、といったアポイントも多く成立している。無料なので、ぜひ積極的に利用してほしい」。

 過去最大規模で開催されるこの国際物流総合展2016は、9月13日(火)から16日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される。

★展示会の詳細・
入場料が無料となる事前登録はこちら★
http://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/