スギヨ(石川県七尾市、杉野哲也社長)はウナギの蒲焼き風かまぼこ「うな蒲ちゃん」の市販用製品の生産を本格化し、スーパーの鮮魚類、惣菜売場などへ拡販する。
かば焼き風味の「うな蒲ちゃん」
「うな蒲ちゃん」は単に見ためをウナギ蒲焼きに近づけているだけでなく、脂質20%のウナギ蒲焼きの食感や香ばしい焼き具合などを追求し、製品化している。
特徴はあまり脂肪分を摂取したくないという健康志向に対応し、魚のすり身にこんにゃくゼリーを混ぜ合わせてとろみのある食感に仕上げているところ。焼き目やたれ付けなどウナギ蒲焼きのような見た目を実現している。
皮にもこだわり、海苔などは一切使わず、ねり製品メーカーらしく、イカ墨色素を混ぜたすり身ペーストを使用している。
同社はウナギの蒲焼き風かまぼこ「うな蒲ちゃん」の開発に2010年頃から着手し、13年からは一部の店舗やインターネット通販などを通じ、計20万枚を試験販売した。このほど工場への設備投資などを行い、トレーパック入りのチルド製品として本格的な生産を開始した。
高品質なかに風味蒲鉾「香り箱」に代表されるように、同社はねり製品の加工技術で培った高い技術力を生かし、「真似をしない、真似のできない卓越したオリジナル性」を重視した商品開発に注力している。
試験販売時の反応は「小骨がないので高齢者や子供でも食べやすい」、「ウナギより安いので普段使いできる」、「外国産の泥臭さが苦手なので、これはうれしい」と高評価だった。
今後は需要と供給のバランスを見ながら、細かくきざんだ「ひつまぶしタイプ」など、大きさや形状を変えた商品などを拡充する方針。
1枚120g。希望小売価格は税別400円。5年後をめどに売上高10億円をめざす。