CCDカメラとバーコードスキャナーでラベルチェック

 寺岡精工は食品ラベル検査工程でのミスをチェックできる高精度自動ラベル検査装置「LIS-CS」を8月中旬全国発売した。
 CCDカメラとスキャナーを使ったパターンマッチングにより、印字・印刷内容の形状・デザインとバーコード内容を検査する装置。検査商品を事前に登録すれば、これまで作業員の目視確認に頼ることが多かったラベル検査を自動的にチェックできる。

       「LIS-CS」

 特にこだわったのは検査商品の登録作業の簡素化。誰でも簡単に事前登録できるように操作性を追求してソフトを作り込んだ。商品サンプルを流して、画面に表示されるガイダンスに従い、品名や値段などの検査項目を確認しながら8つの手順をふめば、約3分間で登録が完了する。
 登録後は検査したい商品を流せば、自動的にCCDカメラが撮影して、スキャナーがバーコードを読みこむ。ラベルの貼り間違い、貼付なし、上下ラベルの組み合わせのミスマッチなどを、正確、スピーディにチェックする。おにぎりの場合は1分間で72個検査できる。
 コンパクトな設計のためラベルの貼付ラインに後付けでき、他社の自動ラベラーの後段にも接続できる。同社製の自動ラベラーと連動すれば、自動ラベラーで品種切り替え操作したデータが検査装置にも反映し、作業ミスを防ぐ。
 機種は検査する商品のラベルの貼付位置に合わせて「サンドイッチ向け」、「おにぎり向け」、「ハム・ソーセージ、冷凍食品向け」、「弁当、惣菜向け」など幅広いラインアップ。今後も色々な食品の生産ラインの特性に合わせラインナップを拡充する。
 販売価格は用途に合わせた組み合わせによって異なるが、税別290万円から。

 食品工場では、商品ラベルの貼付工程までの自動化が進んでいるが、その後のラベル検査は目視確認に頼っていることが多い。深刻な人手不足から「ラベルの貼り付けが上下反対」、「ラベルが正確な位置に貼り付けられていない」、「サンドイッなどの包材の掛け間違い」、「ラベル、包材などのマッチングミス」などが大きな問題となっている。
 同社では食品生産現場の製造ラインの完全自動化に向けたニーズの高まりから、これまでの自動ラベラー展開の経験・実績を基にした高精度自動ラベル検査装置を開発した。

フードファクトリー展に出品

 寺岡精工とアンリツインフィビスは東京ビッグサイトで13〜15日に開催される「フードファクトリー2017」に共同出展する。ブースでは寺岡精工の自動ラベラー、マスター・実績の管理をするラベルコントローラーと高精度自動ラベル検査装置「LIS-CS」、アンリツの金属検出機、X線検査機で仮想生産ラインを組んで、自動化の利便性を訴求する。寺岡精工では「自動ラベル検査装置は今年のFOOMAに初出品し、現在160台の商談が進んでいる。食品生産現場では自動化に向けた動きが活発化しており、人手不足とも相まって検査・検品の自動化の要求も高まっている。同展示会は工場の設備担当者や品質管理担当者が多く来場するので、省人化、作業ミスの低減を積極的にアピールしていきたい」としている。