大手菓子メーカー、国内外で生産体制を再構築
大手菓子メーカーが国内外で工場を建設し、生産体制の再構築を図っている。商品群の見直しやアイテム数削減を検討し、各社とも主力商品の生産効率を上げることで生産コスト削減を図る。
江崎グリコは埼玉県北本市に新会社「関東グリコ」を今月設立する。資本金8000万円で、通年ベースで150億円の生産額を見込む。主力商品「ポッキー」や「プリッツ」を製造する。
また、生産部門の効率を高めて競争力の強化を図るため、生産拠点を再構築する。生産子会社である北海道グリコ（北海道恵庭市）は2012年６月、東京グリコ（東京都大田区）は同４月、武生グリコ（福井県越前市）は同１月に解散する。
一連の設備投資に100億円を投じる。
森永製菓は群馬県高崎市に建設中の高崎工場内に「高崎第２工場」を建設する。投資額は100億円で、主力製品であるキャンディとチョコレートの生産能力を増強する。2012年３月着工、13年６月生産開始予定。工場規模は鉄骨造平屋建（一部２階）、延床面積は約１万5000�屐�
高崎工場は第一期工事として、約70億円投じて、主力ブランド「森永ビスケット」の製造ラインを昨年４月に着工し、生産力の向上を図っている。鉄骨造平屋建で延床面積１万3000�屐�今年８月からの生産開始を予定している。
また、同社は中国浙江省平湖市に生産子会社を新設する。中国アジア事業の拡大に向けて生産能力を増強するためで、来年12月から主力のハイチュウを中心に菓子類を製造・加工し、中国市場に販売する。新会社設立にともない、上海で生産・販売している上海森永食品は、来年12月以降、生産機能を新会社に移管し、販売会社として継続する。日本向けにも供給する。
ミルキーライン（不二家富士裾野工場）
中国浙江省に生産拠点を構えようと動き出している菓子メーカーはまだある。
不二家は棒付きキャンディの新工場を浙江省に建設する。中国では２工場目で、2012年夏の稼働をめざす。
中国事業は杭州で棒付きキャンディの生産を05年５月から開始した。以来、売上げが好調で、既存工場がフル稼働に近付いているため、新工場で増産体制を整える。
主力の「ミルキー」や「ホームパイ」はこれまで国内工場で生産して輸出し、中国でリパックして売り出している。ホームパイは日本のスーパーでは「お徳用」として売られることが多いが、現地ではギフト用として支持を得ており、缶詰めにリパックされたものが広く出回り、売上げを伸ばしているという。ミルキーも売上げが拡大しているため、一部現地生産に昨秋から切り替えた。