東冷倉、楡会長「業界の発展のため課題解決」
用地不足や環境対応で部会立ち上げ
東京冷蔵倉庫協会の楡敏秀会長は27日開いた記者懇談会の席で「今年４月に会長就任後、３つの委員会と４つの部会に全て出席し、協会運営が非常に真面目との印象を強めた。ただし、前年踏襲型と印象も受けた。私は協会が情報公開や同業者間交流の場だけと捉えていない。問題解決と切磋琢磨の場としたい」と協会運営に対する認識を示した。
楡会長
業界の現状について「冷蔵倉庫はビジネスモデルとして寿命の長い立派なものだが、成熟期を迎えて、この10年間は苦しい状況にあった。国内需要だけをみれば、市場が自然に大きくなることはない。現状に安住すればマイナスとなる。現在は過渡期。冷蔵倉庫事業をどう発展的に作るかを考えていかなければならない」と協会運営のあるべき方向性を語り、大きな課題として�＼瀏�の経年化問題�⇒冀鷲埖�の問題�４超�対応問題などを掲げた。
設備経年化と用地不足に関連して、楡会長は「倉庫需要は首都圏への一極集中が進んでいる。一方で都内の設備更新は進まず、神奈川県などに設備新設が増えている。団体未加入の業者を含めれば、冷蔵倉庫のインフラ規模は神奈川県に抜かれている。東京都は用地不足もあり、設備更新が進んでいない。当協会でも用地確保に向けて都に対する働きかけを行なっているが、オリンピック招致問題の終了後も進展がない。羽田空港の国際化が優先課題になっており、用地確保についてまだはっきりしたことを申し上げられないのが現状」と語った。
これに関連し、協会内に数カ月前、東京港湾地区の設備更新に関する協議会を立ち上げたことを明らかにした。
環境対応問題については「鳩山新政権は温室効果ガスの排出総量を2020年に1990年比25％削減を国内外に公表したが、都も国に先駆けて温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度を条例で打ち出している。総量削減義務の対象事業者の網に東京団地冷蔵や東京水産ターミナル、庫腹量３万ｔ以上の事業所などが入ってくる。これにかかる負担を計算すると、対象事業者は今後５年間で1000万円と大きい。おろそかにできない金額負担が社会的役割を担う業者にかかる。これは看過できないため、対応を図る部会のようなものを早急に立ち上げる必要がある、と考えている」と語った。