パッケージサラダで圧倒的�癸韻瓩兇�
直営で最新の生産拠点、３ラインで日産目標８万パック
�螢汽薀瀬�ラブ 三原工場（広島県三原市）
サラダクラブ（東京都調布市、萩芳彰社長）は野菜の鮮度にこだわり、洗わずに食べられる「パッケージサラダ」の製造販売会社として、キユーピーが51％、三菱商事が49％出資し、1999年２月発足した。
現在は直営７工場、委託８工場、計15工場を全国に配し、日産80万パック前後を製造。北海道から沖縄まで、主に量販店売場に供給している。取り扱い企業は約530社、導入店舗は約１万3500店（2016年11月現在）、前11月期の売上げは263億円に拡大している。
三原工場の外観
パッケージサラダは�―�性の社会進出に伴い簡便調理の需要拡大、�▲薀ぅ侫好織ぅ襪鳳�じて商品を使い分ける、�７鮃�志向、エコ志向、共働きなどライフスタイルの変化――を背景とし、洗わずにそのまま食べられる利便性、食べる分だけ使える、野菜が高騰しても価格一定――という経済性が支持され、需要は年々確実に拡大している。同社の調査分析によればパッケージサラダ市場（購買金額）は2012年735億円、13年935億円（27.2％増）、14年1021億円（9.2％増）、15年1236億円（21.1％増）、16年1317億円（6.6％増）と明らかな増加傾向。同社はそのシェア24.6％を占め、２位の15.1％、３位の8.0％を大きく引き離す断トツトップメーカーとなっている。
企業ビジョンは「パッケージサラダの分野で圧倒的�癸韻鬚瓩兇后�ここで働く仲間の皆さんの心と生活が豊かになることをめざす」。
三原工場は2014年12月に操業開始した直営工場の中では最新の生産拠点。
生産数量の増加に合わせて増員を重ねており、現在の従業員数は74名（社員22名）。朝６時30分から午後４時30分（出荷終了）まで１直体制だが「数量の増加に対処し、いずれ２直にもっていく」（同工場）考え。
ピロータイプの生産ラインが２ライン、トレータイプが１ライン、計３ライン。操業当初は日産２万パックからスタートしたが、「直近では３万5000〜４万3000パックを生産している」（松永丈彦工場長）。これを中期計画で８万パックまで引き上げるのが目標。
動線考えたストレートライン、原料は産地リレー、極力地元産
敷地面積は9782�屐�2960坪）。建物は１階加工スペースが2151�屐�652坪）、２階厚生スペースが521�屐�158坪）、計2672�屐�810坪）。敷地内に排水処理施設を備えている。パッケージサラダ１パックの製造に４ℓ前後の水を使用する。この水は工業用水を処理して使っている。
（左から)宮内淳生産本部長、福地喜三男常務、
小宮正和工場次長、松永丈彦工場長
１階加工場は動線を意識したストレートライン。次期の合理化設備導入を意識したレイアウトとしている。原料庫、出荷庫は日産８万パックまで生産量を拡大した場合を想定し、これに対応できるスペースを確保している。
２階の厚生エリアはサラダクラブの企業カラーである緑をアクセントに採用。従業員が充分にくつろげる空間づくりを意識した。スペースを広く感じるよう、壁の一部にはガラスパーテーションを採り入れた。
休憩室・食堂
原料の野菜は全国の産地と契約取り引きを行っているが、使用量の多いキャベツやレタスは春夏秋冬、旬の時期に合わせた産地リレーで品位の高い原料を途切れず調達できるような体制を組んでいる。最も使用量が多いキャベツは、同社全体（委託工場含む）で１日約68ｔ、およそ５万4400個使っているが、このうち三原工場では１日４〜５ｔ、3200〜4000個使用している。
原料野菜は全国から調達しているが「極力地産地消、地元中四国の原料産地の拡大に努めている」（福地喜三男常務・品質保証本部長兼管理本部長）。
中でも三原工場で使用するキャベツは、広島県産の使用量が2015年度は春夏・秋冬合わせて176ｔだったが、翌16年度は213ｔと21％増加。主力の春夏物に限れば48％増と地元産原料が大幅に増えている。
広島ではキャベツの生産が元々少なかったが、同工場ではＪＡ広島に対し「広島お好み焼きのキャベツ需要も大きい。地元産キャベツの生産量を増やすよう要請している」（松永工場長）という。またシーズン終了後にはＪＡ広島、原料供給サプライヤーと三原工場の三者で振り返り協議を行い、次期につなげている。
微細金検を導入、プラ容器には金属を練り込み異物防止
入荷した原料野菜は原料冷蔵庫（56坪）に入り、原料処理→洗浄→包装→箱詰め→製品冷蔵庫（60坪）→出荷とストレートに流れる。「ストレートラインとすることで、品質の向上と生産性の向上をめざしている」（松永工場長）。
受け入れた原料野菜は10℃以下で保管。さらに異物チェック、目視検査、洗浄・脱水、充てん・包装、箱詰めの後、出荷される。
トリミング
検品
洗浄機
金属探知機
三原工場では新たな技術導入にも取り組んでいる。
金属異物は従来から金属検出器でチェックしているが、新たに「微細金属異物検出機」を導入した。
さらに工場内で処理した野菜類の移動にはプラスチック製カゴやボックスを使っているが「仮にプラスチックが破損しても金検やＸ線では感知できない」。そこでプラスチック容器そのものに金属を練り込み、破損して商品に混入しても検知できるように切り替えた。２年をかけて開発した独自の特注容器だという。
サラダクラブの製品
製造アイテムはタテピロー製品が千切りキャベツ、ミックスサラダ、カットレタス、10品目のサラダ、シーザーサラダ、ベジヌードルなど17品。ヨコピローはクレソンサラダ、ベジパスタなど10品。
製品はＫＲＳ（キユーソー流通システム）廿日市センター（広島）と紀文フレッシュ総社センター（岡山）に輸送し、そこで仕分けして岡山、鳥取、広島、島根、山口（一部）と四国４県に供給される。隣県の岡山には同社真庭工場が2007年２月に操業開始しているため、同工場と三原工場は生産アイテムのすみ分けを行っている。
現場の雇用を確保するためには「まず採用した人員を大切に、コミュニケーションを重要視している」（松永工場長）。さらに、地元の三原市とも交流を深め、地元からの雇用を確保できるよう努めている。
キユーピー長南社長「Ｋｅｗｐｉｅ」マーク加え、市場の評価高まる
サラダクラブの筆頭出資会社、キユーピーの長南収社長はサラダクラブの事業展開に関し「製品パッケージにキユーピーマークを加えるようにしたところ、『これはＫｅｗｐｉｅの商品なんだね』と信頼感を高めたという報告が来ている。逆に『キユーピーなんだからしっかりした製品を届けろ』という叱咤激励もある。製品の品質・品位をさらに高めるためのきっかけにしたい。幸い、サラダクラブの認知度は3.5％から７％に上昇している。キユーピーブランドの信頼を守り、信用を高めるためのマークの付与。決して安易にマークを付けたわけではない。今期中に認知度を10％まで高めるよう期待している」と語っている。