【年頭所感】
食品機械の高度化を通じ、課題解決に貢献する
日本食品機械工業会 海内栄一会長

    海内会長

 我が国食品機械の昨年の販売額は、機種によって異なるものの、全体では前年を下回る見込みとなっている。今後の社会情勢も依然予断を許さない状況が続く見込みであり、企業経営に関しては多くの会員が厳しい見解を持っている。

 食品産業全体としては、HACCPに沿った衛生管理制度の完全義務化に基づく食の安全性の確保、脱プラスチックやフードロス問題、消費者ニーズの多様化高度化への対応、深刻化する人手不足、原材料・物流費の高騰など様々な課題を抱えている。一方、世界的な人口増加に伴うタンパク源不足、食品製造・流通に伴う環境負荷の増大、健康意識の高まり、デジタル技術の台頭などによって、食の新しい産業としてフードテックが注目を集め、市場の拡大が予測される。

 食品機械業界としては食品製造現場のニーズに対応し、衛生性を完備したロボット技術、AI、IoT技術等先進技術を活用した食品機械の高度化、自動化に取り組んでいるところである。これからもユーザー業界の課題解決に貢献できるように積極的に事業を推進していく。

 当工業会では、時代の潮流を見据えながら、食品機械の安全・衛生化の推進、国際化への対応、人材育成などに積極的に取り組み、会員の経営力強化、事業の発展に向けて各種事業を展開していくことで、ユーザー業界の期待に応える。

 今年は6月7日から4日間「Restart FOOMA」をテーマに掲げ、「FOOMA JAPAN 2022」を開催する。45回目を迎える「FOOMA JAPAN 2022」は3年ぶりに東京ビッグサイトで開催する。さまざまな情報を提供するFOOMAアプリの導入、優れた研究開発の成果を表彰するFOOMAアワードの創設、オープンイノベーションの一環としてスタートアップゾーンを新設するなど出展価値を向上させる新たな取り組みを実施する。「食の安全・安心」を中心課題としつつ、生産性向上や高効率化のための技術、自動化、省人化を図るロボット技術など最先端のテクノロジーと最新鋭の製品やシステムの展示を通じて、食品産業全体の一層の発展に寄与していく。

 当工業会は一丸となって、引き続き食品機械工業会の発展を通じて、食品製造業界の生産性向上、国民の食生活の豊かさに貢献する。