森の里要冷セットセンター稼働
ユーコープ、伸長する宅配需要に対応

 神奈川・静岡・山梨3県の6生協で組織するユーコープ事業連合は伸長する宅配需要に対応するため、「森の里要冷セットセンター」を神奈川県厚木市に開設し稼働させた。冷蔵・冷凍の肉、魚、日配品を利用者ごとにセットし各地の宅配センターに配送。−25℃から5℃と徹底した温度管理下で、従来施設より1.5倍の商品数が扱える。

森の里要冷セットセンターの外観

 近年、ネットスーパーが伸長して個人宅配市場の競争が激化しているが、同連合の宅配事業「おうちCO−OP」利用者も2月1日現在で昨年対比104%と伸びている。09年度には供給高が店舗の売上げを上回る見込みで、今後も宅配需要は拡大する見通しという。しかし、従来のセットセンターでは集品能力が限界を超えており、建物が小さくラインの増設もアイテムの拡大もできないと判断、森の里SCを開設した。
 従来の4ラインから6ラインに拡大、生産性の向上と合わせて集品能力が2倍に、扱いアイテム数が230から350に拡がった。全館5℃の温度帯を基調に冷凍庫も増設、トレースシステム、原料小出し、別積み扱い、入荷情報管理など最新のシステムを導入し、生産管理の質を向上させた。

オートラベラーとフィルム
インサーター、2軸を設け
フィルム切れに対応

 トレースシステムは入荷品のロットナンバーだけでなく、商品温度、重量を計測し、カタログと商品パッケージを連動させる。シッパーに袋掛けする際にフィルムインサーターで情報を記載するが、同時に組合員コードや名前などの情報をインクジェットで自動印字して管理する。袋掛けが終わったシッパーは届け先がわかるラベルを貼り付けてラインへ流れる。ロット管理は耐環境性に優れているチップ「RFID」で商品を識別、ハンディターミナルを活用することで、拡大したアイテム数に柔軟に対応している。

ハンディターミナルを活用し、拡大したアイテム数にも迅速に対応している

 集品ラインはトーヨーカネツ社製PD3を6ライン導入。袋掛けが終わったシッパーが集品スタッフの前に流れてくる際、そのシッパーにスタッフの受け持ち商品がある場合、コンベア上部のランプが点灯し、そのシッパーの集品棚ランプも同時に点灯して商品と個数を明示。スタッフはそのランプの指示に従って集品でき、迅速で確実な作業がかなった。

集品ラインにはトーヨーカネツ社製PD3を導入した

コンベア上部のランプが点灯し、そのシッパーの集品棚ランプも同時に点灯して商品と個数を明示する

 「おうちCO−OP」は3県48万世帯の毎日の暮らしを支えるため、安全・安心のための工夫を施した。蓄冷剤洗浄により、食品防止を未然に防止。自動べレット式ドライアイス投入システムを採用して、保冷剤とともに保温できるようにした。館内に監視カメラ60台を設置して30カ月保管するなど管理体制を強化させた。
 環境社会に対応するため、資材の循環型利用の仕組みを構築した。商品入荷用の段ボールを1ブロック900kgの塊に加工する自動破材圧縮機を導入。破損や汚れのあるシッパーを溶融機で板状に加工し100%リサイクルする。また、保温目的のアイドリング削減をめざし、トラック待機場所に保温用電気プラグを設置した。