紙素材を使用したチューブ型パウチを開発

 「チューブな紙パウチ」のイメージ(同社HPから)

 凸版印刷は紙素材を使用したチューブ型パウチをこのほど開発した。同社はチューブの使いやすさとパウチの絞り出しやすさを両立させた「チューブなパウチ」を4月から発売しているが、今回の新製品「チューブな紙パウチ」では環境機能をさらに高めた。

 チューブの構造や機能は維持しながら、胴部に紙素材を使用し、プラスチック使用量を大幅に削減した。2020年度中に本格販売を開始する。

 先行発売している「チューブなパウチ」は、胴体フィルムの厚みを従来のラミネートチューブよりも薄くしたことで、内容物を絞りやすくし、プラスチック使用量は30%削減した。

 「チューブな紙パウチ」は胴部に紙素材を使うことで、プラスチック使用量を50%削減し、これまで以上に省資源化を実現した。
 さらにヘッド部のプラスチックパーツを見直せば、プラスチック使用量は65%まで削減可能。プラスチック使用量が減っても、紙のコシを活用するため、形状はしっかり保持できるという。

 胴体の厚みは従来のラミネートチューブが0.3mm前後であるのに対し、「チューブな紙パウチ」では0.1mmに設定した。封筒状に折り畳む加工を施すことで、胴体を握った時の弾力が軽減する。これによって従来のラミネートチューブより中身が容易に絞りやすくなった。また、注出口のプラパーツを水平に設計したことで最後まで絞りやすくした。

 胴部の内側には同社が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルム「GL BARRIER」を使用し、容器全体をフルバリア化した。紙素材仕様ながら、高いバリア性が要求される食品や化粧品でも安心して使用できる。初年度は食品やトイレタリー、医薬分野をターゲットに、関連受注を含めて10億円の売上げをめざす。

  内容物を使い切ったイメージ(同社HPから)