目を見開かせること、それが現場改善の第一歩
成果挙げた実例を使って分かりやすく指導

 水産タイムズ社は「食品工場改善セミナー」を13日開催する。講師の小杉直輝氏は食品工場改善指導の第一人者。大手食品会社の生産部門に籍を置いていたころ、「自分には現場の無駄が見えていなかった」と告白する。トヨタ方式の工場改善専門家の指導を受けた時でも、現場改善の指摘を素直に受け入れることができなかった、という。

            小杉氏

 ただ、専門家の言葉が意識の底に引っ掛かっていた小杉氏は、現場指導を受けた時に収録したテープを何度も何度も聞き返した。すると薄紙をはがすように、指導の内容が理解できるようになったという。
 このように「気づき」があればこそ現場の無駄を解消することができる。これは自らの原体験から得た教訓である。コンサルタントとして独立した後も、多くの生産現場に入り込み、実践的な指導を行い、コストダウンの成果を確実に挙げてきた。
 改善を妨げるのは現場で働く従業員の「自分は間違っていない」、「ちゃんとやっている」という既成概念や思い込みだという。そういう人には「物の流れをこうすれば3人でやっていたことが2人でできますね」と実際にやってみせることがもっとも効果的。
 あるべき姿を具体的に示し、しっかり理解してもらうこと。それを繰り返すことにより、やがて「目から鱗(うろこ)が落ちる」。そうなれば次々と現場の無駄が見えるし、改善の実が上がるという。
 水産タイムズ社が11月13日に開く小杉直輝セミナーは「工場を利益体質に〜いい物をより安く」がテーマ。食品業界は国内から海外へと生産をシフトしたものの、中国やタイのコストアップが激しく、しかも安全安心の側面、生産から販売までのリードタイムが長いというデメリットなどから、今また国内生産が見直されている。小杉セミナーでは、国内工場の地の利を生かしつつ、ネックであった価格競争力をつけるという命題への答えを明示するものになるだろう。

 小杉直輝の食品工場改善セミナーは11月13日(水)10時〜16時 東京都港区の三田NNホールで開催する。受講料は、1名1万500円(税込)申し込みは水産タイムズ社まで。