パッケージングマテリアル市場は大震災によって昨年、原材料の調達から生産・供給に至るまで短期的な支障が生じたが、現状では概ね復旧しており、市場への影響は限定的に留まっていることから、市場全体で前年比0.2%増の3兆8357億円が見込まれる。
これは、マーケティング&コンサルテーションの富士キメラ総研が、ボトル、容器、包装資材、物流資材などの各種パッケージングマテリアルの国内市場を調査したもの。「2012年パッケージングマテリアルの現状と将来展望」で報告している。
採用素材の内訳(2011年、数量ベース)は、段ボールが大半の用途となる紙が60%、プラスチックが24%と見込んでいる。プラスチックを樹脂別に見ると、PP、PE、PETとそれ以外(PS、ナイロンなど)が市場をおよそ四分している。
2012年以降の市場は緩やかな成長が続く見通しで、2015年には3兆9542億円とし、2011年から2015年までの平均成長率は0.8%と予測している。
日本の総人口が減少に転じて国内需要が頭打ちとなる中、食品や医薬品用途を中心としたパッケージングマテリアルも厳しい市場環境が予想される。成長を維持するには、新規需要開拓や社会環境の要望に応えた製品開発が必要と指摘している。
今後高成長が見込まれる品目のキーワードとしては、「調理の簡便化」、「環境対応」、「新規用途開拓」を挙げている。
「調理の簡便化」(主な該当品目:バリアフィルム、レトルト用パウチ)は単身世帯の増加や高齢化の進展を背景に需要が高まっている。「環境対応」(レトルト用パウチ、バイオプラスチック容器・包装、耐熱紙器)は廃棄物量削減やバイオマス化を実現する。「新規用途開拓」(発泡緩衝材、セロハンフィルム)は液晶パネル用マザーガラスなどの用途の広がりで市場が拡大している。