ベンダー事業初参入、セブン向け専用工場完成

 日本ハムはコンビニエンスストア向けの弁当・惣菜事業を拡大する。1日8万食の製造能力を持つセブン-イレブン・ジャパン向け専用の「プレミアムキッチン関西工場」(兵庫県小野市)が完成した。7月7日から稼働する。今後、最大1日16万食に能力を倍増させる。

 事業展開を説明する竹添社長

 関西工場は兵庫県と大阪府西部にあるセブンイレブン1000店弱に調理パンや軽食、惣菜、デザートを供給する。セブンは他のコンビニ大手と比べて営業基盤が弱いとされる関西で出店を加速している。両社は連携して新たな商品開発にも取り組む。
 日本ハムが弁当・惣菜事業を展開するのは今回が初めて。来年4月には三重県にも同様の新工場を竣工する予定で、2つの工場の総投資額は85億円になる。日本ハムの竹添昇社長は説明会で「初参入なのでセブン-イレブンの助けを受けてしっかりした事業に育てたい」と語った。

プレミアムキッチン関西工場の外観

 セブン-イレブン向けにサンドイッチなど生産する工場。野菜の鮮度に配慮する。コールドチェーンを維持するため、収穫した野菜はその場で低温保管予定。配送車、仕分けセンター、生産工場から店舗まで、一貫した温度管理を行うとしている。
 セブン-イレブンのコールドチェーンは野菜の鮮度管理を徹底するため、2005年に構築した。今後も専用工場の製造やコールドチェーンなどによる優位性を最大限生かすとしている。

野菜洗浄機

惣菜トッピングの3ライン、将来の増産に向けてスペースを残している

サンドイッチのトッピングラインは2ライン、予備に1ライン。こちらも将来の増産に向けてスペースに余裕がある

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年6月11日号掲載