簡便性が売りのチルド麺、主婦層獲得に成功

     春夏新商品をPRする伊地知社長

 日清食品チルドは昨年発売したチルド冷やし麺「日清のそのまんま麺」シリーズが主婦層に好調なため、簡便性を前面に打ち出して販売エリアを全国に拡大する。さらに味のトレンドに対応した「冷やし中華 麻辣醤油だれ」と、スタンダードメニューの「かつおだしぶっかけうどん」(いずれも2人前)を追加し、全6品を3月1日発売する。春夏新商品の発表会見を都内の本社で1月30日開いた。

 「日清のそのまんま麺」は麺を茹でたり、流水でほぐしたりする手間がいらず、開封後にたれやつゆをかけるだけで食べられる簡便性が売り。「そのまんま麺」を含む即食タイプのつゆ付きチルド麺の売上げ(上期)は前年比169%と大幅に伸びており、これまで即食タイプの商品に手が伸びなかった主婦をはじめ新たな客層の掘り起こしに成功した。

 今回はパッケージをリニューアルして、食べ方のイラストを新たに掲載した。商品特性の理解促進を図り、新規客の取り込みを強化するねらいがある。中身も改良した。「冷やし中華」の麺はコシをアップし、麺のほぐれを改善した。「ぶっかけうどん」は「柚おろし」でつゆを増量したほか、フードロス対策としてうどん商品の賞味期限を3日延ばして15日間とした。

東京2020「麺」パートナーの強み発揮

 東京五輪・パラリンピック関連では日清食品ホールディングスが「東京2020オフィシャル麺パートナー」(カップ・袋・チルド・冷凍)である強みを活かし、スーパーなどの売場の盛り上げに一役買う。
 
 チルド麺の3大ブランドから「行列のできる店のラーメン 東京中華そば」、「つけ麺の達人 東京もりそば」、「日清の太麺焼そば 東京下町風ソース」(いずれも2人前)の“東京トリオ”を3月1日発売する。チルド麺では初の五輪記念商品。

 パッケージは3商品とも東京2020エンブレムに使用されている伝統色の藍色と市松模様を大胆にあしらった「応援デザイン」で統一。商品パンフレットには日清食品所属の錦織圭選手や大坂なおみ選手、スポンサー契約を結ぶ八村塁選手を登場させた。

 伊地知稔彦社長は、食品パッケージとしては異色のデザインを採用したねらいについて「確かにいかがなものかという考えはあるが、販促などで店頭に積み上げた時にインパクトがあり、特別感を打ち出せる。お客さまにもわかりやすい」と語り、五輪特需に期待を示した。