ローソンは商品配送後のトラック戻り便を活用し、店舗の廃棄食品を回収する実証実験を都内3店舗で1日開始した。既存の店舗物流網を活用することで、食品リサイクルの推進だけでなく、ドライバー不足の解消やCO2削減に貢献する。来年度は関東エリア400店舗に広げる。
実証実験には三菱商事のほか、三菱食品、日本農産工業が参加する。ローソン店舗に商品を配送したトラックの戻り便を活用して、廃棄食品を千葉県市川市にある三菱食品の物流センターに集約する。その後、収集運搬会社がリサイクル工場に廃棄食品を配送し、工場で飼料に加工した後、日本農産工業が畜産農家に提供する。
これまでは収集運搬会社が店舗ごとに廃棄食品を直接回収し、リサイクル工場に運んでいた。実証実験では商品配送後のトラックを活用するため、人員を新たに手配する必要がない。トラック台数の削減はCO2排出量の削減にもつながる。
食品ロスは国内で年間643万t(2016年度)にも上る。ローソン全店では年間約4.4万tの食品ロスが発生している。そのため収集運搬会社に委託して廃棄食品を回収するリサイクルを2006年から取り組んでおり、現在は2800店で実施している。