日本初、液体窒素凍結とＭＡＰ包装の実験施設
産業ガスの製造販売を手がける�螢泪好魁璽�（大阪市、境順子社長）は食品保存の実験と効果検証ができるラボ施設「Masscollabo（マスコラボ）」を本社敷地内に２月１日オープンする。液体窒素凍結とＭＡＰ（ガス置換）包装の実験に対応している。この２つの実験を同じ場所で行えるのは日本初という。
産業ガスは食品の鮮度保持や酸化防止などに使われることが多いが、機械設備は高額で、中小企業にとっては導入ハードルが高い。情報も入手しずらく、凍結・鮮度保持の効果を検証するのが難しかった。そこで、マスコールは中小事業者でも気軽に実験できるよう費用を１万5000円からと低額に設定した。
２階には15名程度を収容できるコミュニティスペースを設けた。打合せや商談、展示会、セミナーなどに使える。２時間2000円。
１階はキッチンを完備、保存した食品の解凍・加熱加工も行うことができる
コロナ禍で注目集まる
食品の鮮度保持に使われる液体窒素凍結は−196℃という超低温の液体窒素を利用する。きわめて短い時間で冷凍できるため、食材組織へのダメージは少なく、高品質の冷凍を可能にする。
ＭＡＰ包装はパッケージの中の空気を、食品ごとに適したガスと置換して包装する。酸化防止や静菌効果、鮮度保持を実現し、大気包装より賞味期限（消費期限）を延長できる。
コロナ禍の影響で市販用の冷凍食品の需要が伸び、外食店や一次生産者などが冷凍食品のネット直販に参入するケースが増えている。また、自宅で食事をする機会が増えたほか、食品ロス削減に対する関心の高まりからロングライフのチルド惣菜や生鮮食品の鮮度保持にも注目が集まっている。
こうした傾向は今後も続くとみられ、同社はラボ施設の提供を通じて事業化を支援したい考え。飲食店や食品加工、精肉、スーパー、パティスリーなどの利用を想定している。
ラボ施設「Masscollabo」の外観イメージ