京都卸売市場内の冷凍倉庫を一括施工、総合エンジ力を発揮
三菱重工グループが京都塩干魚卸協同組（京都市）から設計・施工を一括受注した冷凍冷蔵倉庫が京都市中央卸売市場内にこのほど竣工した。土木建築から機械設備までワンストップで手がけることで、無駄のない最適な仕様設計と工期短縮、コストダウンを実現した。グループ会社の三菱ロジスネクスト（京都府長岡京市）は３月予定の稼働開始に合わせて、冷凍仕様（−35℃クラス）のフォークリフトを納入する。
三菱重工グループが総合エンジニアリング力を発揮した。三菱重工交通・建設エンジニアリング（横浜市）のエンジニアリング・土木建築技術と、三菱重工冷熱（東京都港区）の冷凍冷蔵技術を組み合わせることで、土木建築と設備の両面から最適設計を実施し、全体で約1.5カ月間の工期短縮を実現した。
設計の初期段階では建物や内部の構造を３Ｄデザインで示したり、機器選定のためのシミュレーションツールを活用したりして具体的な提案を行い、早期着工につなげた。こうした手法は「ＦＥＥＤ（Front End Engineering Design）」と呼び、技術的な課題や概算費用を早い段階で検討できるため、実施設計以降の変更が少なく済むといったメリットがある。
倉庫の稼働開始後には三菱ロジスネクストが冷凍冷蔵仕様ナロータイプリーチ型のバッテリーフォークリフトを納入し、物流オペレーションの最適化に貢献する。
三菱重工グループは顧客ニーズに合わせてグループ企業の製品・サービスを統合し、提供する総合エンジニアリングを強みとする。今後は冷凍冷蔵業界が抱える省エネや自動化、脱炭素化の解決にワンストップで貢献できることを前面に打ち出し、建設需要の獲得をめざすとみられる。
京都市中央卸売市場内に１月26日竣工した冷凍冷蔵倉庫、鉄骨造り３階建
て、延床面積約3700�屐■嘘�は−８℃、２〜３階は−25℃
冷凍冷蔵倉庫の３Ｄシミュレーション画像、初期段階で示すことによって
着工の早期化につなげた